えしぇ蔵日記

えしぇ蔵日記のブログ版です。

ローマ3日目

2013年04月29日 | Weblog

快晴。夏のように気温が上がった。暑いが空気が乾燥しているせいか、じめじめした気持ち悪い汗はかかない。日陰に入ると十分涼しい。こういう気候が好きだ。
本日の目玉は古代ローマの散策だ。近接する「コロッセオ」、「フォロ・ロマーノ」、 「カピトリーノ美術館」をはしご。
 
「コロッセオ」はもともと皇帝ネロの宮殿「ドムス・アウレア」の庭にあった人工池の跡地を利用して作られた闘技場だ。長径188m短径156mの楕円形。高さは48mもある。なんと45,000人も収容できたらしい。日除けに布を張ることができたらしいからちょっとしたドーム球場だ。この日除けの布がなくても全ての席が1日に20分以上直射日光があたらないように設計されていたというから古代ローマの建築技術には舌を巻く。
それにして上の階から全体を見渡すとなんとも壮大な建物だ。古代ローマ人の歓声や剣闘士の剣の音が聞こえてきそうだ。
 

 
「フォロ・ロマーノ」はローマ帝国の時代に約300年ほど政治・経済の中心地だったところ。初代アウグストゥスが起工した「コンコルディア宮殿」、ドミティアヌス帝が建設した「ウェスパシアヌス神殿」、元老院議事堂の「クリア・ユリア」、パルティア遠征の戦勝記念である「セプティミウス・セウェルスの凱旋門」、カエサルを神として祀っているいる「ディウウス・カエサル神殿」、公文書館の「タブラリウム」
などが集まっていた。さぞかし壮観な街並みだったろうと思うが、今ではほとんどの建物は倒壊しており、わずかな痕跡を留めるだけのものが多い。だがそれだけに空想の都は果てしなく広がる。
 

 
「カピトリーノ美術館」
は古代ローマの美を鑑賞する場所だ。なんといっても堂々たる「マルクス・アウレリウスの像」が素晴らしい。ローマでキリスト教が国教になって以来、かつての多神教時代の皇帝の像は破壊されていったらしいが、この像はどういうわけかキリスト教を公認したコンスタンティヌスの像だと誤解されていたので破壊されずに済んだそうな。運のいい像だ。それとローマ建国の祖であるロムルスとレムスが狼の乳を飲む像もある。
 

 
昼食休憩の後は「トレヴィの泉」までバスで移動しようと思ったが、地図で見るとそれほど遠くないのでコルソ通りをぶらぶら歩くことにした。休みなのでコルソ通りは歩行者天国状態だった。この道はかつてゲーテが歩いて祭りの様子を「イタリア紀行」に残しているから歩きながらも感慨深いものがあった。
それにしてもローマは魅力がいっぱいだ。なるほどゲーテが合計で1年以上ローマに滞在してなかなか帰らなかったというのもよくわかる。
 
「トレヴィの泉」はバロック時代の噴水。像が3つ立っているが真ん中が水の神ネプチューン、左が豊穣の女神ケレス、右が健康の女神サルース。だが観光客にとってはそういう由来よりもコインを投げるおまじないの方が大事だ。後ろ向きに投げ込まないといけないが、1枚だと再びローマに来ることができる、2枚だと好きな人とずっと一緒にいられる。3枚だと恋人や伴侶と別れることができるという言い伝え。泉の周囲は観光客で埋め尽くされているが、いろんな人種がみんなしてコインを投げているから面白い。世界中の人が同じことをして楽しそうに笑っている。なんとも素晴らしい光景だ。世界平和だ。戦争なんかやめようぜ。
ちなみに投げ込まれたコインの半分はチャリティに寄付される。後の半分はどうなるんだ?
 

 
「スペイン広場」には言わずと知れた「ローマの休日」で有名になった「スペイン階段」がある。上の方に座ってあのシーンを思い出す。ジェラートを食べるオードリー・ヘップバーンの後ろから偶然を装ってグレゴリー・ペックが声をかける。「Hey! It's you!」
後ろの「トリニタ・ディ・モンテ教会」の美しさは格別だ。
 

 
「サンタンジェロ城」をたそがれに訪れた。ここはハドリアヌス帝が自分の霊廟として作らせたものだが後に軍事要塞的な存在になった。その前にある「サンタンジェロ橋」はジャン・ロレンツォ・ベルニーニのデザインだ。ローマはこの人が関係しているものが本当に多い。
かつてペストが流行した頃、時の教皇グレゴリウス1世がこの城の頂上で剣を鞘に納める大天使ミカエルを目撃したらしい。その時の姿が銅像になって城の頂上に再現されているんだが、全くかっこいい話だ。剣を納める姿の凛々しさ!その剣でペストを退散させたのだろうか。
 

 
この古い城にはなんとカフェがある。お茶しながらローマの街を眺めることができるなんて最高だ。たそがれていくローマを見下ろしながら思った。「いつか住んでもいいなぁ」
 

 
「ナボーナ広場」はこれまたジャン・ロレンツォ・ベルニーニによる「四大大河の噴水」がある。今日の晩飯はこの広場の一画にあるお店にした。ベルニーニを眺めながら食事か。見上げると淡い夜空。この空は今日だけの空。
 

 
「トレヴィ」

トレヴィにて コインを投げて 誓うひと
言葉違えど 笑顔は同じ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ローマ2日目 | トップ | オルヴィエート »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事