ローマ最終日。観光客の攻勢が始まる前に地の利を生かして「サンピエトロ大聖堂」に行くことにした。
「サンピエトロ大聖堂」は世界に12億人の信者を持つキリスト教最大宗派カトリックの総本山。ここを見ずしてローマを去るわけにはいかない。もともとはペテロの墓があった場所でそこへ巡礼に来る人のために建てられた教会堂がその始まりであるという説がある。世界最大の教会堂建築で、現在の聖堂が完成したのが1626年。総面積は49,737m2。とにかくでかい。圧倒される。この覆いかぶさるような迫力に負けてカトリックに帰依する人もいるかもしれない。
中にはミケランジェロの「ピエタ」があるがこれだけでも来る価値はある。そして祭壇のところにそびえる「大天蓋(バルダッキーノ)」はお約束のジャン・ロレンツォ・ベルニーニの作品。他にもいろいろと。あぁどういう順番で見ようかと迷っていた時、入口の扉が開いて朝の光を背にしたミサの行列が入ってきた。なんと幻想的な光景!動画にバッチリおさめることができた。なんという素晴らしいタイミング。
その後、クーポラの中に入れるというのを聞いて上まで登ってみた。途中までエレベーターであとは狭い階段をぐるぐる登っていく。そしてクーポラの内側に出ることができた。ミサの様子が上からすっかり見えた。更に上に続く階段があったので登ってみると、クーポラの頂上の外側にある展望台に出ることができた。なんという素晴らしい眺め!サン・ピエトロ広場がきれいに見下ろせた。ローマの最後の思い出がクーポラから見たローマなんて最高ではないか!
お土産を購入した後ホテルをチェックアウトして電車でオルヴィエートへと向かった。
オルヴィエートは高い台地の上に作られた要塞都市で、まるでそこだけを残して周囲全てが地盤沈下して天空にとり残されているように見える不思議な街だ。駅からケーブルカーに乗って街まで上がった。
かつてエトルリア人が住んでいたらしいがローマ帝国に攻め落とされたそうな。16世紀のローマ略奪の際に教皇クレメンス7世が避難した場所がここだ。
オルヴィエートは白ワインの産地でもある。オルヴィエートクラシコはワシの好きなワインの一つだが、これからも飲むたびに思い出すことだろう。
街はまさに中世そのままという印象を受けた。街を歩く人間の衣裳だけ昔のものに変えて、車やバイクを隠してしまえばいつでも中世に戻れる。なんというか極めて文学的だ。街のシンボルであるドゥーモは群を抜いて背が高い。街の象徴である「モーロの塔」も聳えているが、あとはせいぜい3階建程度の建物ばかり。和やかさが漂う街だ。
今日の宿は中世からある建物の内部をセンスよく改装したB&Bで、きれいで快適だった。窓を開けると鳥と子どもの声しか聞こえなかった。まるで夢のような穏やかさだった。
カフェでお茶したり、ジェラートを食べたりした後、観光客向けの洞窟ツアーに参加してみた。オルヴィエートの地下はかつて凝灰岩を採掘した洞窟が迷路のように広がっている。どの時代にどういう用途があったかをガイドさんが詳しく説明してくれた。
夜は街一番のレストランで食事。もちろんオルヴィエートクラシコも飲んだ。
食後に淡いオレンジ色の街燈に照らされた街をふらふらと散歩した。角から今にも中世の衣裳を着た人が出てきそうだった。不思議な夜だった。
「オルヴィエート」
鳥の声 寝そべる猫と 石畳
オルヴィエートの 時は流れず
蔵
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