漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 459

2024-07-18 05:56:41 | 貫之集

道行く人、川のほとりに鶴群れゐたると見る

よそなれば みぎはにたてる あしたづを なみかゆきかと わきぞかねつる

よそなれば みぎはに立てる 葦田鶴を 波か雪かと わきぞかねつる

 

道行く人が、川のほとりに群れている鶴を見ている

ちらっと見ると、水際に立っている鶴が、白波や雪のように見えてみわけがつかない。

 

 川辺に立つ白い鶴を白波かと思うという歌は 古今集 0919 にも見られます。

 

あしたづの たてるかはべを ふくかぜに よせてかへらぬ なみかとぞみる

あしだづの たてる川辺を 吹く風に 寄せてかへらぬ 波かとぞ見る

 

紀貫之