道行く人、川のほとりに鶴群れゐたると見る
よそなれば みぎはにたてる あしたづを なみかゆきかと わきぞかねつる
よそなれば みぎはに立てる 葦田鶴を 波か雪かと わきぞかねつる
道行く人が、川のほとりに群れている鶴を見ている
ちらっと見ると、水際に立っている鶴が、白波や雪のように見えてみわけがつかない。
川辺に立つ白い鶴を白波かと思うという歌は 古今集 0919 にも見られます。
あしたづの たてるかはべを ふくかぜに よせてかへらぬ なみかとぞみる
あしだづの たてる川辺を 吹く風に 寄せてかへらぬ 波かとぞ見る
紀貫之