きのふまで あひみしひとの けふなきは やまのくもとぞ たなびきにける
昨日まで あひ見し人の 今日なきは 山の雲とぞ たなびきにける
昨日まで会っていたのに今日はもういなくなってしまったあの人は、山の雲となってたなびいているのであるよ。
この歌は、新勅撰和歌集(巻第十八「雑三」 第1227番)に入集しています。
詞書は 751 と共通(「世の中はかなきことを見て」)。万葉集の大伴三中(おおとも の みなか)の歌を踏まえての詠歌とされています。
きのふこそ きみはありしか おもはぬに はままつのうへに くもにたなびく
昨日こそ 君をありしか 思はぬに 浜松の上に 雲にたなびく
(万葉集 巻第三 第444番)