漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

おおつごもり

2016-12-31 07:12:27 | 雑記
 今年最後の朝ですね。

 1年間、拙ブログにご来訪いただいた皆様、誠にありがとうございました。記録を見ると、これが今年になって101個目の記事のようです。毎日欠かさず更新なさるブロガーも多い中、決して多いとも言えず、またいつもながら記事内容は刹那的・断片的で、余り皆さんのお役に立てているとも思えませんが、私自身にとっては漢字や日本語に関する学習の記録として、またふと思いついたよしなしごとを気儘に書き留められる貴重な場所として、来年からもほそぼそと続けていきたいと思っております。気の向かれた折りには、ぜひまたご来訪ください。

 来年が皆さまにとって幸せな1年となりますように。

「無用」の四字熟語は有用?

2016-12-25 06:15:10 | 四字熟語
 3連休も今日で終わり。今年もあと1週間ですが、明日からは2泊で出張が入っていて、最後までバタバタした日々になりそうです。この3日間、やるべきことがたくさんあったのですが昨日までは余り捗らず、ただなんとなく過ごしてしまいました。勉強の方もこのところなぜか今一つ身が入らないのですが、思えば年末年始の時期はいつもそんな感じだったかもしれません。漢検ももちろんなのですが、1月下旬には大学院の後期試験も控えていますので、気合を入れなおしたいところです。

 さて今日は「無用」な事柄や物、役に立たない人物などを表す四字熟語をまとめてみました。意味内容は「無用」を表しますが、漢検対策としては結構「有用」なものが多いように思います。



 まずは、意見や考え、文章などが役に立たないことを表す熟語。

1. だんてんちょうりょう
2. あんずさくき
3. あめいせんそう
4. かんびゃくふういつ

1. 【談天雕竜】   (「漢検四字熟語辞典」 P.327)
 弁舌や文章などが広大で見事なこと。広大だが実用には適さない無用の議論や行為のたとえ。
 相反する意味を併せ持つような熟語ですね。意味問題で出されたら迷いそう・・・
2. 【按図索驥】   (66)
 理論だけの実際には役に立たない考えや意見。
 同義の 【按図索駿】 は準1級配当。
3. 【蛙鳴蟬噪】   (64)
 役に立たない議論や、内容に乏しく下手な文章。
 少し古いですが、過去 12-3、15-2 で出題されています。「完全征服」にも載っていますね。
4. 【勧百諷一】   (140)
 害になること、無用のことばかりが多く、益になること、役に立つことが少ないこと。特に言葉や文章について言う。



 続いて、無用で役に立たない人や物を表す熟語。会社でこんなことを言われないようにしないと・・(汗)

5. かろとうせん
6. べんぼしし
7. ぎゅうしゅうばぼつ
8. ちょれきさんぼく
9. ふぜいけんゆう
10. じんぱんとこう
11. としえんばく

5. 【夏鑪冬扇】   (132)
 無用なもの、役に立たないもののたとえ。
6. 【駢拇枝指】   (430)
 無用なもののたとえ。
 【駢拇】【枝指】はそれぞれ手足の指の奇形を表す言葉。本試験にはまず出ないでしょう。
7. 【牛溲馬勃】   (151)
 無用なものや役にたたないもののたとえ。
 これも出そうにないですね。
8. 【樗櫟散木】   (342)
 役に立たない人や物。
 【樗櫟之材】 も同義。 【樗櫟】 は音読みや書き取り問題での出題もありそうに思えます。
9. 【附贅懸疣】   (418)
 無用なもののこと。
10. 【塵飯塗羹】   (274)
 実際には何の役にもたたないもの、とるに足りないもののこと。
11. 【菟糸燕麦】   (367)
 有名無実のたとえ。役に立たないもののたとえ。
 【菟糸】 はねなしかずらのことで、熟字訓としても押さえておきたいところ。【燕麦】 はからすむぎ。菟糸は「糸」がついているのに織ることができず、燕麦は「麦」がついているのに食べることができないことから。



 最後は少し毛色が違って、「そんなことをしても無駄だよ~」的なもの。

12. たいろぶきん
13. きじんてんゆう
14. かそうさいり
15. そうじょうのじん

12. 【対驢撫琴】   (322)
 愚かな者に物の道理を説いても役に立たないたとえ。
 これはかなり最近、27-2 で出題されました。
13. 【杞人天憂】   (146)
 無用の心配。取り越し苦労。
 縮めて 【杞憂】 と言いますね。杞の人々が、いつか天が落ちてくるのではないかと心配したという故事から。
14. 【禍棗災梨】   (-)
 無用の本を刊行すること。
 これは「漢検 四字熟語辞典」にも「漢検 漢字辞典」にも掲載がないにも関わらず出題された (26-2) 珍しい熟語。
15. 【宋襄之仁】   (308)
 無用の情けをかけること。
 【宋襄】 は人名なので、多分出ないですね。



 私のところはきのう、きょうと冬らしい寒さ。風邪などひかないよう気を付けつつ、きょうは年賀状作りなどに勤しみます。


過去問題集を購入

2016-12-24 17:27:20 | 日本語検定
 公式過去問題集を購入しました。
 ・・・と言っても、漢検ではなく「日本語検定」の方。




 鬼が笑うという「来年の話」ですが、先日記事にした通り、来年6月の日本語検定は実施週が漢検と一週ズレています。どちらの検定も、本試験前日に何か特別重要な準備をするというわけではないですが、「2日連続」となるとやはりどこか抵抗感がありますので、間が1週間空いている今回は2度目のチャレンジの好機かもしれません。まだ受検を決めたわけではありませんが、準備の一つとして過去問を購入した次第。

 今回求めたのは平成28年度版(平成27年実施分)で、もともと手元には前回(平成27年6月)受検した際に購入した平成26年度版、27年度版があります。持っていながら前回はまったく手つかずだったので、今回受検するようであれば、来年春頃に出るであろう平成29年度版も含めて、せめて過去問くらいは目を通して臨みたいと思います。


【最後の秘境 東京藝大】

2016-12-23 19:53:17 | 雑記


 通勤電車の中吊り広告で見てからずっと気になっていたのですが、ようやく読むことができました。かなり売れてもいるようですが、いやぁ~面白い!  音楽系学科が集まった音校と美術系学科が集まった美校のコントラスト、描かれた藝大生達の個性と煌き、巻末近くの章で紹介される藝祭(学園祭)のカオス・・・

 久しぶりに、理屈抜きで無邪気に楽しめる一冊でした。 ^^

【遇酒且呵呵】

2016-12-18 06:45:18 | 雑記
 今、朝の五時半。
 早起き(といっても、個人的には「いつもの時間」ですが)は基本的には気持ちの良いものですが、この季節はまだ外が暗いのが玉に瑕です。自室にある東向きの窓の向こうがほんのりと明るくなっていくさまは、それはそれでなかなか良いものですけれど。


 さて、きょうは 【遇酒且呵呵】 。料理研究家の大原千鶴さんがご自身のアトリエに付けた名前で、中国五代十国時代の漢詩の一節。ご本人が出演するTV番組の中でも時折紹介されています。

 読み下すと 「酒に遇(あ)いては且(しば)し呵呵たれ」 。酒を飲んだらひとしきり大笑いしよう、くらいの意味でしょうか。料理の「りょ」の字も知らないと言うべき私ですが、大原さんの軽妙洒脱なおしゃべりと手際の良さは、そんな私にも楽しい時間を過ごさせてくれます。あまりお酒が強くないので、飲んで大笑いするほど楽しく酔うということもほとんどないのですが、何か人生の楽しみを一つ知らずにいるようで、たくさん飲める人を羨ましく感じることもありますね。(笑)

 だいぶ空が明るくなってきました。きょうは、このところサボっていた大学院の授業を少しまとめて視聴しようかな。



「あてなよる」
http://www4.nhk.or.jp/atenayoru/5/



『花間集』菩薩蠻其四  韋莊

勸君今夜須沈醉  君に勸む 今夜 須(すべか)らく沈醉すべし
樽前莫話明朝事  樽前に 話す莫(なか)れ 明朝の事を
珍重主人心    珍重す 主人の心
酒深情亦深    酒深くして 情も亦た深し

須愁春漏短    須(すべか)らく愁ふべし 春漏の短きを
莫訴金杯滿    訴ふる莫れ 金杯に滿ちたるを
遇酒且呵呵    酒に遇(あ)ひては 且(しば)し呵呵たれ
人生能幾何    人生 能(よ)く 幾何(いくばく)ぞ