漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

【優婆塞】 【優婆夷】

2016-02-28 21:42:43 | 雑記
 入手した古い過去問題集、ようやく平成13年度版(平成12年度実施分)を一通り確認することができました。最近の問題に比べると全体に易しいという印象は変わりませんが、文章題だけは逆に古い問題の方が難しいような気がします。

 さてそんな中で、12-3 の文章題の文中に「優婆塞優婆夷」という言葉が登場し、「優婆夷」の部分の読みが問われていました。「漢検 漢字辞典」の見出し語で、なかなか印象深い熟語です。ただ、純然たる仏教用語なので出題はされにくいかと思っていのですが、とうの昔に出されていたのですね。(笑)

 同義語も含めてまとめておきましょう。



【優婆塞】   (「漢検 漢字辞典」初版 P.1500/第二版 P.1517)
 うばそく。
 在家のまま仏門に入った男性。「近事男(ごんじなん)」「清信士 (しょうしんじ)」。


【優婆夷】   (P.1500/P.1517)
 うばい。
 在家のまま仏門に入った女性。「近事女(ごんじにょ)」「清信女 (しょうしんにょ)」。



 【優婆塞(うばそく)】 【優婆夷(うばい)】 はいずれも梵語の音訳とのこと。【三昧(ざんまい)】 【舎利(しゃり)】 【薄伽梵(ばがぼん)】 などもその類ですが、やはり漢語ともやまと言葉とも違う独特の響きのようなものを感じますね。

「辞典」初版にない訓読み

2016-02-27 07:50:21 | 雑記
 きょうは久しぶりに早朝勉強していましたが、早い時間はやっぱりまだ寒いですね。冷たい空気が心地よくもあるのですけれど。


 引き続き先日購入した古い過去問を見ていますが、12-1、12-2 には、例えば次のような読み問題が出題されています。


 【縛める】   いまし・める

 【頤う】   やしな・う

 【(がんだれ+萬)ます】   はげ・ます

 【練】   ねりぎぬ


 これらの共通点は何かと言いますと、記事のタイトルにも書きました通り、「漢検 漢字辞典」の初版に記載されていない読みです。今の問題形式になった 14-3 以降先日の 27-3 に至るまで、丸々13年間に渡って、この「辞典」初版にない読みというのは1問も出題されたことはありませんが、この当時はこのようにちらほら出されていたのですね。
 と言っても、一つ前の記事にも書きました通り、この頃はまだ 「漢検 漢字辞典」 自体が存在していませんので、「辞典」にない読みを覚えるべきかどうかなどという悩み(?)もなかったということではあります。しかしそういう悩みはなかったとしても、出題の基準である「漢字必携」(今の「漢検要覧」)以外に指針がなかったのだとすれば、受検者としてはそれを覚えていくしかないですから、そういう点では読み問題は現在より困難な(難しい)面もあったということになるのでしょう。
 その後、2001年(平成13年)に「漢検 漢字辞典」が刊行され、そこに記載のない読みは出題されなくなったのですが、皆さんご存知の通り、「辞典」が第二版になって、読み(特に訓読み)が大幅に加筆されました。それでもまだ、「要覧」にある読みがすべて載っているわけではありませんが、いずれにしても今後、初版になくても第二版にある読みは出題されるようになるのでしょうか。ブログなどを拝見する限り、「出題されるようになる」と予想するリピーターが多いようですし、かく言う私もその一人ですが、と言って、初版にない(=レアな)読みが相当のボリュームをもってどかどかと出されるようになるとはとても思えませんので、初合格を目指す上では、初版に記載のある読みに絞って学習することで十分でしょう。

 ・・・などと言っても、「初版」ってまだ手に入るのかな?? (汗)

12-1 設問別正答率

2016-02-21 10:40:52 | 本試験
 先日購入した古い過去問題集を少しずつ眺めていますが、12-1 には、すべての設問について「正答・誤答・無回答」の比率が標準解答と一緒に記載されていました。なかなか面白いので、少しご紹介します。



<正答率が高い問題>

1. 97.6%  【砦】の読み   とりで
2. 93.8%  【宏壮】の読み  こうそう
3. 93.4%  【云々】の読み  うんぬん/しかじか

 【砦】の読みなんて、今ではとても1級で出題されるとは思えないですね。(笑)


<正答率が低い問題>

1.  2.6%  【哀瓜多】の読み  エクアドル
2.  4.0%  【諧う】の読み   かな・う
3.  5.6%  【大逵】の読み   たいき

 1.の【哀瓜多(エクアドル)】、現在の「漢検 漢字辞典」にも載っていませんから、受検者にとっては「超」のつく難問だったことでしょう。もっとも、「漢検 漢字辞典」は初版の刊行が2001年(平成13年)ですから、そもそもこのときはまだ存在もしていなかったですね。受検者たちはどうやって勉強していたのでしょうか? ちなみに、国名・地名問題の他の二つは【白爾鄰(ベルリン)】と【羅府(ロサンゼルス)】でした。
 2.の問題文は「事を論うに諧うときは、則ち事理自ら通う。」です。2010年に新たに常用漢字に組み込まれた漢字ですが、表外読み問題として今出されたとしてもさほど違和感はないですね。
 3.はその後、19-3、22-3でも出題されていますし、「完全征服」や「分野別精選演習」にも収録されていますので、今見ると易しい問題に見えます。しかしこのときは 5.6% の正答率ですから、新出である上に、おそらくは受検者の盲点を突くような問題だったのでしょう。


<無回答率が高い問題>

1. 47.3%  「クルリ」の書き取り  【転】
2. 45.7%  【哀瓜多】の読み    エクアドル
3. 44.6%  四字熟語 「焦頭(  )」 の書き取り   【爛額】

 3.は普通に1級配当の熟語(「漢検 四字熟語辞典」はこのときすでに存在しています)ですから、無回答率 44.6% というのは少し意外な感じがします。正答率は 30.5% とそれほど低くありませんので、知っていればもちろん書けるけれど、知らないと推定では書きにくい(誤答であっても)問題だったということなのかもしれません。



 設問ごとの正答率が分かったからといってその後の学習にすごく役立つというわけでもありませんが、データとしては面白いですね。また公表されるようになってほしいなぁ。


『漢字カフェ(KanjiCafe)』

2016-02-20 07:13:14 | 雑記
 漢検協会のHPに、「漢字・日本語キュレーションサイト『漢字カフェ』を開始いたしました。」との案内が出ていました。


漢字カフェ
http://www.kanjicafe.jp/





 「日本で初めて開設する漢字・日本語に関する記事を集めたキュレーションサイト」で、「全国にある漢字・日本語に関する情報を、タイムリーにわかりやすく紹介していく予定」とのこと。覗いてみましたが、なかなか楽しそうです。


 先日は「漢検ミュージアム」のことも紹介しました。なんだか漢検協会の広報サイトのようになっています(汗)が、ホントに昨年から新しい取り組みを次々と発表していますね。さらにまた何か出てくるのでしょうか。楽しみです。 ^^


「学生」になる その2

2016-02-19 23:26:53 | 雑記



 準備を進めている放送大学大学院への入学ですが、「合格通知書」が届きました。「合格」と言っても入試があったわけでもなく、書類に不備さえなければ「合格」するんですけれど、これを見たら急に現実感が湧いて来ました。せっかく思い立ったことですから、しっかりやっていきたいと思います。