漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 449

2024-07-08 06:44:12 | 貫之集

同四年正月、右大将殿の御屏風の歌、十二首

元日、人の家に客人あまた来たり、あるは屋のうちにいり、あるは庭におり立ちて梅の花を折る

はるたたば さかばとおもひし うめのはな めづらしびにや ひとのをるらむ

春立たば 咲かばと思ひし 梅の花 めづらしびにや 人の折るらむ

 

同四年正月、右大将殿の屏風歌、十二首

元日、人の家に客人がたくさん来て、ある者は家の中に入り、ある者は庭に降りたって梅の花を折っている

春が来たら咲くであろうと思っていた梅の花を、愛でるあまりであろうか、人が折っている。

 

 「同四年」は天慶四年(941年)、「右大将殿」は藤原実頼(ふじわら の さねより)のこと。「十二首」とありますが、実際は 459 までの十一首です。