漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 442

2024-07-01 06:21:48 | 貫之集

やへむぐら しげくのみこそ なりまされ ひとめぞやどの くさきならまし

八重葎 しげくのみこそ なりまされ 人めぞ宿の 草木ならまし

 

雑草がますます生い茂ってくるばかり。家の草木が枯れるように、人も離(か)れて訪れる人がいなくなったのであろうか。

 

 詞書は 441 と共通(やもめなる人の家)。人も草木も「か(枯/離)」れるといえば、百人一首(第28番)にも採録された 古今集 0315 の歌が思い出されますね。

 

 

やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば

山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば

 

源宗于