漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 460

2024-07-19 05:22:36 | 貫之集

おなじ年三月、内裏の御屏風の料の歌、二十八首

元日、雪降れり

けふしまれ ゆきのふれれば くさもきも はるてふなへに はなぞさきける

今日しまれ 雪の降れれば 草も木も 春てふなへに 花ぞ咲きける

 

おなじ年の三月、宮中の御屏風の歌、二十八首

元日、雪が降っている

折しも元日の今日、雪が降ってきて、草も木も、春という声を聞くとともに、一斉に花が咲いたかのようであったよ。

 

 「おなじ年」は天慶四年(941年)のこと。初句「今日しまれ」は「今日しもあれ」が略された形。第四句「なへに」は「~とともに」の意。
 この歌は、新勅撰和歌集(巻第一「春上」 第3番)に入集しています。