漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

書き取り問題 30 問

2016-04-29 10:08:32 | 演習問題
 きょうからGW。私も 5/2 以外は仕事も休みなのでのんびりしつつ、あと1ヶ月余りになった 28-1 への準備、遅れ気味になっている大学院の授業へのキャッチアップと課題提出などに勤しみたいと思っています。

 ということで、初日の今日は書き取り問題を30問ほど。いつも少しで申し訳ないですが、ここ最近の復習の中で、私が書けなかったりあやふやだったりしたものが中心です。

 では、どうぞ。



1. 今夜は スキヤキ だ。
2. 濃く淡く 木々影落とす ヒモカガミ
3. キョウチクトウ の白い花が咲く。
4. 物語は シャキョウ に入った。
5. 社史を サンジュツ する。


1. 鋤焼     (「漢検漢字辞典」初版 P.729/第二版 P.736)
 世間的にはカタカナ書きの方が普通かと思いますが、そもそも鋤の鉄板の上で焼いて食べたので【鋤焼】なんですね。
2. 氷面鏡     (1290/1303)
 【氷面鏡】とは、鏡のように光る氷の表面のことで冬の季語。問題文は高浜虚子の次男、池内友次郎の句です。
3. 夾竹桃     (326/329)
 なぜか何度復習しても定着しない語。

 写真は「季節の花 300」さんからお借りしました。ありがとうございます。
4. 蔗境     (654/660)
 【蔗境】 は「しゃきょう」ですが、【蔗糖】 は「しょとう」です。音読みにも注意しましょう。
5. 纂述     (585/591)


6. トウトウ とまくし立てる。
7. 網を い潜る。
8. ウドンゲ の花。
9. ヤクタイ もない話しだ。
10. 草 ボウボウ


6. 滔滔     (1141/1151)
7.      (935/943)
 【鋤焼】 もそうですが、こういう「普段普通に使う言葉だけどいざ漢字で書けと言われると『うっ』とつまる」みたいな問題が個人的には好きだったりします。(笑)
8. 優曇華     (1500/1517)
 準1級 27-3 の過去問。つい最近も本ブログでご紹介しましたね。
9. 益体     (89/91)
 【益体】 とは、役立つこと、整った状態にあること。時代劇のセリフで結構聞く?
10. 茫茫     (1403/1417)
 意味として「風や波の音の激しいようす」というのもありますから、「風が ボウボウ と吹く」などという問われ方もあるのかもしれません。


11. 高温多湿で、正に ジョクショ だ。
12. 黒 トウトウ たり。
13. コウハク を散ずる。
14. ワルビ れる。
15. シュロ の木。


11. 溽暑     (779/786)
 どうも 【縟】 と書いてしまう癖があります。
12. 洞洞     (1151/1161)
 意味は「穴があいたようにうつろなさま。また、奥深く暗いさま。」だそうです。【滔滔】 とセットの同音異義語で出ないかなぁ。
13. 黄白     (501/504)
 【黄白】 はここでは金銭のこと。
14. 悪怯     (11/11)
 これも 「普通に使う言葉だけど・・・」 の類ですね。いつも 【怯】 が出て来ません。
15. 棕櫚・棕梠     (673/679)

 こちらも「季節の花 300」さんからお借りしました。


16. 何事もなく ショウコウ いたしております。
17. バクスイ 両岐は豊年のきざし。
18. ケンチンジル を啜る。
19. フツゼン として席を蹴る。
20. ソウカク の好(よしみ)。


16. 消光     (741/748)
 【消光】 とは「月日をおくること。生活すること。」
17. 麦穂     (1231/1243)
18. 巻繊汁     (226/229)
 こんな字を書くと知ったのは、かなり最近のことです。(苦笑)
19. 怫然     (1336/1350)
20. 総角     (938/946)
 「あげまき」と問われた方がかえって書けそうですね。幼い頃からの交友の意。


21. カンモク して汗を流す。
22. 女 タラ し。
23. アソウギ とは数の単位である。
24. ケレンミ のない芸風だ。
25. 宗廟に イキ を供える。


21. 盥沐     (244/247)
 【盥】 がいつも出て来ません。同音の 【緘黙】 も押さえておきたい。
22.      (338/340)
 これは書き取りより訓読み(たら・す、たぶら・かす)問題として要注意かもしれませんね。
23. 阿僧祇     (2/2)
 大きい数の単位は、経文の言葉から取られているものが多いですね。ちなみに「兆」のあとは
   京(けい)
   垓(がい)
   (し)
   穣(じょう)
   溝(こう)
   澗(かん)
   正(せい)
   載(さい)
   極(ごく)
   恒河沙(こうがしゃ)
   阿僧祇(あそうぎ)
   那由多(なゆた)
   不可思議(ふかしぎ)
   無量大数(むりょうたいすう)
と続きます。
24. 外連味     (187/189)
 この漢字表記を知ったのも比較的最近です。一般にはカタカナ表記が主流でしょうか。
25. 彝器     (40/40)
 【彝器】 は儀式用の器物のこと。


26. 格調高い ブンチ で知られる作家。
27. ソウモン として修行に入る。
28. 秋風に カエイ がそよぐ田園風景が美しい。
29. 光彩 リクリ
30. サヤエンドウ


26. 文致     (1348/1361)
 【文致】 は文章の趣、書きぶり。
27. 桑門     (930/937)
28. 禾穎     (137/139)
29. 陸離     (1546/1562)
 光線が入り乱れて、美しくきらめているさま。
30. 莢豌豆     (333/335)
 これも通常はカタカナ表記ですね。しかし「エンドウ」が「豌豆」なのですから、「エンドウマメ」と呼ぶのは「頭痛が痛い」の類なのでしょうか?





【鶏冠 (とさか/けいとう) 】

2016-04-16 13:51:40 | 雑記
【鶏冠】   (「漢検 漢字辞典」初版 P.400/第二版 P.403)

「とさか」
 ニワトリやキジなどの頭の上にある肉質の冠のような突起。

「けいとう」
 ヒユ科の一年草。花の色と形がニワトリの鶏冠(とさか)に似ていることから。


 「とさか」「けいとう」いずれの読みも「辞典」の索引にある熟字訓です。なので、学習して知識としては知っていましたが、さきほど家内と散歩に行った公園で「花の市」みたいなものをやっていたのを覗いたところ、「ケイトウ」が販売されていて、初めて実物を目にしました。

  


 なるほど 「花の色と形がにわとりの鶏冠(とさか)に似て」 いますね。 ^^
 もともと植物に興味がない身で漢検に取り組んだ結果、名前(漢字と読み)だけ知っていて実物は見たことがない植物がたくさんある(汗)のですが、こういう体験をすると、勉強していてよかったなぁと思います。





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 熊本を中心とした地震での被害の様子が次々と報じられています。地域の方々のご無事と、被災された皆さんが一日でも早く以前の生活に戻ることができますことを、心よりお祈りします。



平成28年度版過去問題集を購入

2016-04-10 07:48:39 | 雑記


 都内より少し遅く、私のところはこの週末が桜の盛りという感じでした。↑は歩いて15分ほどのところにある地元の桜の名所ですが、最盛期に出かけたのは数年ぶり。やはり良いものです。 ^^





 さて、毎年のことですが、今年も最新の過去問題集を購入しました。リピート受検をしていて1級の本試験問題は全部持っているのに購入するのは、主として準1級の問題を入手するのが目的です。これも毎年書いてますが、準1級も以前に比べると本当に難しくなりました。27-2 (合格率 9.0%)など、うっかりすると不合格になりそうです。 ^^;

 準1級の過去問 「テンキ 洩漏すべからず(23-3 で出題。正解は 【天機】。)」 が、1級の 26-3 でそのまま出題された、なんてこともありますから、過去問をお持ちの方は、是非準1級の問題も一通り学習しておきましょう。

 それでは、28年度版の準1級問題の中から、気になったものをいくつかご紹介します。



<音読み>

【矛戟】 の下に万死を免るるを得た。      ぼうげき
 「辞典」の見出し語。【矛】 は常用漢字。「ボウ」は表外読みです。

【渚宮】 の東面煙波冷ややかなり。      しょきゅう
 小さい活字で記載され、読みも意味も載っていないという、「漢検 漢字辞典」特有(?)のもの。1級と同じく、そういう熟語が本試験での「難問」として狙われるのかもしれません。
 問題文は白居易の詩文の一節で、【渚宮】 は春秋時代の楚の宮殿の名のようです。



<訓読み>

 27-1 で 【己亥】 、27-2 で 【庚申】 と、干支の訓読みが2回続けて出ています。正解はそれぞれ 「つちのとい」 と 「かのえさる」。60通りある干支の音読み・訓読みを全部そのまま覚えようと思うとそれなりに大変ですが、ルールに従った組み合わせですから、理屈を理解してしまえば確実に得点できます。読み・書きとも、しっかりおさえておきたいですね。



<類義語>

帝都 ≒ ケイシ     【京師】
 「易しい漢字を使った難しい言葉」という、最近1級でも好んで(?)出題される系統の熟語ですね。先日1級では 「廃頽 ≒ 【式微】」というのが出ましたが、【式微】 が1級で 【京師】 が準1級というのは、何をもって区分・判断をしているのでしょう。私はどちらも知らない言葉でしたが、【京師】 の方が使用頻度が高いのかな?



<故事・諺>

ヨウリュウ の風に吹かるるが如し。     【楊柳】
 ヤナギが風に吹かれるままになびくように、全く逆らわないこと。

愛は オクウ に及ぶ。     【屋烏】
 人を激しくまた真剣に愛すると、その愛する人が住んでいる家の屋根に留まっている烏をも愛するようになる。

口中の シオウ 。     【雌黄】
 一度言った言論や意見を変えて訂正すること。

盲亀の浮木、ウドンゲ の花。     【優曇華】
 きわめて稀なことのたとえ。
 「優曇華」は、3000年に一度花を開くという想像上の木。「ウトンゲ」という音も「優曇華」という書き方も、なかなかに印象的です。



 28-1 までおよそ2カ月になりました。皆さん、頑張っていきましょう。