漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

【饕餮】 の不思議

2014-08-31 09:32:05 | 雑記
 もう明日から9月ですね。私のところは、今日も涼しくて秋の陽気です。あいにく曇り空ですが、私の好きな旻天(びんてん=秋の空)が見られる季節ももうすぐですね。

 さて、きょうは 【饕餮】(とうてつ) という熟語について。

 過去問では、19-2 で熟語の読み・一字訓読み問題として(【饕餮/饕(むさぼ)る】)、21-2・24-2 では音読み問題として出題されていますので、頻出問題と言えるでしょう。意味は、もともとは中国神話の怪物の名。そこから、財貨や飲食を貪る者のたとえに使われるようになったようです。また、青銅器の模様にも使われ、それを 【饕餮文(とうてつもん)】 と言うとのこと。

 と、いうようなことが、改めて調べてみてわかりました。今まで漠然としか意味を理解していなかったので、勉強になりました。


 さて、これの何が「不思議」かと言うと、 【饕餮】 の不思議というより「辞典」の不思議なのですが、この熟語、「辞典」には 【餮】 の項の「下付き」に 【饕餮(とうてつ)】 、逆に 【饕】 の項の「下付き」に 【餮饕(てっとう)】 がそれぞれ出ているのに、見出しとしてはどちらにも出ていません。「下付き」に出ているので、改めてそちらを調べるとそちらには前後逆にした熟語がこれまた「下付き」にだけ出ているという、不思議というか不親切というか、そういうことを発見したのでここに書いた次第。つまらないことでスミマセン。m(_ _)m

 まあとにかく、前述の通り 【饕餮(とうてつ)】 は頻出ですが、これを前後逆にした 【餮饕(てっとう)】 という熟語もあるということを初めて知りました。字面の似ている漢字ですので、本試験で出されたら良く確認せずに「とうてつ」と書いてしまいそうなので、気をつけたいと思います。



<「漢検 漢字辞典」初版の掲載ページ>

【餮】  P.1097
【饕】  P.1148

7.1%

2014-08-30 00:11:47 | 本試験
 1週間の出張からさきほど帰ってきました。疲れた~~~
 でも、成果は出たので、まずまず良かったです。^^


 さて、帰宅してネットを巡回していたところ、漢検協会のHPに、26-1 の合格率が出ていました。

 受検者数 1,427人
 合格者数  102人
 合格率   7.1%

とのこと。やっぱり難しかったんですねぇ。HPに出ている19-1以降では、19-3、24-1と並んで最低の数字です。(もう一桁下まで計算すると、24-1 が7.05%、19-3 が7.11%、26-1 が7.14%で、今回が3番目。) 次回 26-2 は反動で易しくなりそうですね。初合格を目指される皆さん、チャンスかも、です。



 私はと言うと、出張中、持参した問題集は結局一度も開かず。(汗)
 週末で巻き返せるかな??


【楽(ゴウ・ギョウ)】

2014-08-24 19:22:47 | 雑記
 【楽】 という漢字の表外の音に「ゴウ」「ギョウ」というのがあります。

 「辞典」(P.203)によると 【楽】 の音読みは、
   1.「音楽」の意味では「ガク」
   2.「こころよい/たのしい」意では「ラク」
   3.「このむ/求める/こい願う」意では「ゴウ」
とあり、「ギョウ」も「ゴウ」と同じく3.の意味の場合のようです。「辞典」に用例が3つ載っていますが、意味がわからなかったので調べてみました。


【三楽】   さんごう  (「辞典」P.572)
 これは「辞典」の 【三】 の項に見出し語として出ていました。意味は人が願い望む三つのこと。「論語」の中で、益になるものと損になるものがそれぞれ三つずつ説かれています。
   益:礼儀と音楽を楽しむこと/他人の善行を褒めること/賢友が多いこと
   損:傲慢に振舞うこと/怠惰に暮らすこと/酒宴にふけること
 普通に「三つの楽しみ」の意味の場合は「さんらく」と読むので、本試験で「さんごう」と読ませる作問をするのはなかなか難しいかとは思いますが、覚えておきたいですね。


【楽欲】   ぎょうよく
 「辞典」には熟語のみで読みも意味も載っていませんが、ネットで調べると「願い求めること。欲望。」とあります。仏教用語で、徒然草にも出てくる語のようです。


【愛楽】   あいぎょう
 「辞典」の記載は熟語のみ。意味は「仏の教えを願い求めること」と「愛好すること/好意を持つこと」でこれまた仏語。これも徒然草にあるようです。



 8月もあと1週間。26-2 までもあと60日ほどになりました。なんとか時間をやりくりして、合格を継続できるようにしたいものです。と、言っているそばから、今週は明日からずっと出張です。何か教材は持って行くので、少しでも見る時間があると良いのですけれど。


準1級は難しい

2014-08-23 11:57:47 | 雑記
 少々のご無沙汰でした。

 購入した過去問題集(H18・20年度版)の準1級の問題をようやく一通りやることができました。成績は、ほぼすべて175点レベルでした。直近2回の1級の本試験が175点・173点だったことを考えると何とも中途半端な点数ですね。(汗) 1級がそのレベルまで来られたことを喜ぶべきか(もちろん、嬉しいことですけれど)、準1級で1級と同水準の点数しか取れないことを嘆くべきか・・・

 以前にも書きましたが、やはり1級と準1級は別物で、それぞれ別個の勉強をしないと両方で高得点を取るのは難しいですね。ただ1級本試験での誤答は「こんなの見たことない! 全然知らない!」というものが多い一方、準1級の方は答を見ると「あ~、そっか~」と思わされるものがほとんどなので、より悔しくて精神衛生には良くない(笑)です。いずれ時間に余裕のある時期がきたら、両方受検するようにしようかな。

 間違えた問題から、少しですがご紹介します。



<音読み>

【打毬】  だきゅう  (「辞典」P.965)
 普通に読めば良いのですね。無意味に捻って「ちょうきゅう」などと読んでしまいました。
 意味はけまりのこと。

【秤量】  しょうりょう/ひょうりょう  (P.742)
 【天秤(てんびん)】が頭に浮かんでしまって誤答。
 素直に読めば良いものを捻って間違えるのは1級を受検してる弊害? (苦笑)


<書き取り>

 月夜に カマ を抜かれる。   【釜】
 ひどく油断すること、不注意きわまりないことのたとえ。明るい月夜だから盗まれる心配はないだろうと思っていたら、大事な釜を盗まれてしまうことから。

 カマ をかける。   【鎌】
 相手の本音など、自分が知りたいと思うことを聞き出すため、巧みにことばで誘い、漏らしてしまうように仕向けること。

 逆にしてしまいました。お恥ずかしい。m(_ _)m


 キュウセンポウ    【急先鋒】  (P.304)
 どうも 【鋒】 を 【峰】 と書いてしまう癖があります。



 まだまだ暑い日が多いですね。
 皆さまご自愛ください。