このあたりは、ハチ公バスなんてのが、走ってるのかい?
コミュニティバスってやつね。
ハチ公だけに、いくら待ってもこないんじゃないのか。
待ってればくるわよ。
待っちょいますから・・・。ずっと、待っちょいますから・・・。
なにそれ。「紙屋悦子の青春」のセリフじゃない。
ああ。原田知世が婚約者に言うセリフだ。いい顔してたなあ、原田知世。俺も一度でいいから言われたいもんだ。
悪かったわね。
初主演作の「時をかける少女」から20年以上もたってるのに、まだあんなかわいい顔ができるなんて、信じられないな。ハチ公なんかより、全然かわいいぜ。
変な例え。でも、なんか、感じが小西真奈美に似てるわね。
いや、小西真奈美が原田知世に似てるんだ。
映画自体もよかったわね。戦場も戦闘も出てこないから、戦争映画とは言わないのかもしれないけど、あの頃のふつうの人たちの暮らしをとても細やかに描写してて、戦時中映画っていうのかしら、とても感動したわ。
なるほど。戦時中映画とは、お前もたまにはいいこと言うな。「男たちの大和」なんかと違って男も女も大声でわめきたてないのがいいよな。
そう、みんな気持ちを心に秘めて。でも、あの頃はそれがふつうだったって感じがまたよく出てて胸がつまるわね。
愛する人ともう会えない場面とか、愛する人が死んじゃったことを知る場面とか、ことばにしないだけに、表情のひとつひとつが訴えてきて切ないよな。
だから戦争はいやなのよ。でも、あの頃の人々のつつましさには憧れるわね。
自分は戦争で死ぬから好きな人を親友に譲る、って話なんだけど、考えてみればそんなこと、ひとことも言ってないよな。
私の知ってるおばあちゃんで、夫が戦争で死んじゃったからその人の弟と再婚した、って人がいたけど、あの頃はそんなことも深く考えるようなことじゃなかったのかもね。
いやしかし、男二人に女一人の映画ってどうして、古くは「突然炎のごとく」「冒険者たち」「明日に向って撃て」から最近見た「ゆれる」までどうして傑作が多いのかな。
そうね、考えてみるから、ちょっと待ってて。
待っちょいますから・・・。ずっと、待っちょいますから・・・。
ふたりが乗ったのは、都バス<田87系統>
渋谷駅前⇒並木橋⇒渋谷車庫前⇒東二丁目⇒東三丁目⇒恵比寿駅前⇒恵比寿一丁目⇒恵比寿四丁目⇒恵比寿二丁目⇒恵比寿三丁目⇒北里研究所前⇒三光坂下⇒白金高輪駅前⇒魚籃坂下⇒三田五丁目⇒慶応義塾大前⇒田町駅前
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面白いブログですね。こういう感じの書き方は初めてです。また来させてもらいます。
次、また更新されるまで待っちょいますから・・(笑)
の一言は、本当は明石に言いたかったけど、絶対に言ってはならない言葉。そのことを、すべて分かりきっているあの頃全ての人の気持ちの表し方に感動しました。
さすが黒木監督でした。遺作となったのは本当に惜しいです。
しかし、男二人に女一人、で「冒険者たち」が出てくる発想にまたまた感動です。
黒木監督にはまだまだ映画を撮ってほしかったのに、残念です。
待っちょいますから・・・。ずっと、待っちょいますから・・・。
ここの2人の会話が、とても良かったですねー!
控えめな表現だけど、胸の奥では、熱いもんが~みたいな、こういうのが好きです。
この映画に出て来る、古き日本の慎ましさ、無くしたくないです・・・。無くなりつつあるか・・・。
こういう奥ゆかしい表現が昔はいっぱいあったんでしょうねえ。最近は情緒も何もない、興ざめな映画が多いように思えるのは、気のせいでしょうか。