Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

エリック・エワゼンの音楽

2012年12月19日 | 音楽
 先月下旬にあるピアノ教室の発表会に行った。就学前の子供から初老のリタイア組まで、皆さんの発表があった後、ピアノの先生とそのご主人(在京オーケストラの元フルート奏者。昨年定年で退団した。)および友人たちの演奏があった。プロ、アマの垣根のない和やかな会だった。

 そのなかにエワゼンという人の「パストラール」があった。エワゼン?まったく聞いたことのない名前だ。編成はフルート、ホルンとピアノの三重奏。珍しい編成だ。ホルンを吹いた人(この人はアマチュアだ)の紹介した曲だそうだ。フルート奏者は「こういう編成は見たことがない」といっていた。

 美しい曲だった。グリーグやシンディングのような北欧の音楽のように感じられた。これはまちがいなく北欧の作曲家だ、と思った。帰宅して調べてみた。驚いたことに、アメリカ人だった。1954生まれ。エリック・エワゼンEric Ewazen。正しくは「イウェイゼン」と読むらしい(ウィキペディアによる)。

 アマゾンで検索したら、CDが出ていた。2週間くらいで届いた。やっぱりいい曲だ。「バラード、パストラールとダンス」という曲の第2楽章だった。前後の楽章もよかった。

 フルートとホルンの組み合わせは、木管と金管という意味では異質だが、それらの音色が溶け合うというか、むしろ、完全には溶け合わず、それぞれの動きは明瞭に辿れるのだが、それらが並置されても、お互いに干渉しない点がいい。そこにピアノが加わり、内部まで光が届くような、小さな音の宇宙が生まれている。

 YouTubeを調べてみたら、いくつかの動画が見つかった。そのうちの一つをご紹介したい。演奏者名や日時、場所はわからないが、雰囲気からいって、アメリカのどこかの大学の学内コンサートではないか。ホルンは多少苦しいが、それは仕方がない。ミスなく吹けたら、もうプロだ。

http://www.youtube.com/watch?v=FkdPTafspXs&feature=player_embedded

 ナクソス・ミュージック・ライブラリーを検索したら、何曲も登録されていた。1曲ご紹介すると、「死者と生者のための賛歌」という曲がある。2001年の9.11テロの犠牲者のために書かれた曲だ。もともとは吹奏楽だが(アメリカ空軍ヘリテージ・オブ・アメリカ・ウィンドアンサンブルの委嘱)、トロンボーンとピアノのための編曲版が気に入った。

http://ml.naxos.jp/work/204888

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