Enoの音楽日記

オペラ、コンサートを中心に、日々の感想を記します。

フェドセーエフ/N響&インキネン/日本フィル

2015年04月19日 | 音楽
 N響のC定期と日本フィルの横浜定期が重なった。もっとも、N響は15:00開演、日本フィルは18:00開演なので、渋谷→横浜の移動はあるが、なんとか間に合うだろうと思った。こういうことは今までも何度かあった。間に合わなかったことはない。両方とも会員だから仕方がない。

 N響はフェドセーエフの指揮。ラフマニノフの「ヴォカリーズ」、ピアノ協奏曲第2番(ピアノ独奏はアンナ・ヴィニツカヤ)、アンコールがあり(バッハの前奏曲ロ短調をジロティが編曲したもの。ラフマニノフのように甘美だった)、休憩後はリムスキー・コルサコフの「シェエラザード」。

 「シェエラザード」が始まると、冒頭の威圧的なテーマが、あまり荒々しくない。肩の力が抜けている。ヴァイオリン独奏も、細かい息継ぎがあって、一気に歌いあげない。大洋のうねりも、ゆったりしている。

 フェドセーエフは1932年生まれ。今年83歳だ。その割には背筋が伸び、足元もしっかりしている。でも、演奏はテンポが落ち、一音一音を慈しむようになった。

 終演は17:00。NHKホールを飛びだして渋谷駅に向かった。東横線のホームに出たら、特急は17:25発。もう一本前の特急に乗りたかった。間に合うかどうか。みなとみらい駅に着いた。ホールに急いだ。入口に着いたそのとき、会場の拍手が聞こえた。スピーカーから流れているのだ。万事休す。1曲目のシベリウスの組曲「カレリア」は、ロビーで聴く羽目になった。

 2曲目はシベリウスのヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリン独奏の三浦文彰は1993年生まれだそうだ。今年22歳。第1楽章の冒頭の演奏を聴くだけで、ストレートな音楽性がよく分かった。インキネンが指揮する日本フィルも充実した音だった。

 休憩後はシベリウスの組曲「レンミンカイネン」。第1曲「レンミンカイネンと乙女たち」からすでにこの演奏のモチベーションの高さが感じられた。第2曲は「トゥオネラの白鳥」ではなく、「トゥオネラのレンミンカイネン」だった。曲順が違うので、慌てた。その「トゥオネラのレンミンカイネン」も的確な演奏で、この曲はこういう曲だったのかと、納得する思いだった。

 以下「トゥオネラの白鳥」、「レンミンカイネンの帰郷」と名演が続いた。インキネンと日本フィルとの理解が深まり、またインキネン自身も逞しさを増していることが感じられた。
(2015.4.18.NHKホール&みなとみらいホール)
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