還幸祭
京都の方は、これを見ずして祇園祭を見たとは言えない、とおっしゃる。
一般的なお祭りの原型と言われる祇園祭の本質は、荒ぶる神の御魂鎮めである。
八坂の御祭神の、スサノウノミコト、奥さんの櫛稲田姫命、そして8人の子供たちを、
御神輿3基に乗せて(中御座、東御座、西御座)八坂神社から町にお出ましになるのが、神幸祭。
八坂に戻るのが、還幸祭だ。
山鉾巡行だけが目立つが、御祭神のお出ましに際し、町を清める儀式が巡行だ。当然あくまでも主役は、3御神輿だ。
写真は、八柱御子神の西御座。(三条通烏丸角のみずほ銀行前)
三条通の練り歩きだ、「ホイット、ホイット。」の掛け声が続く。祝人(ほいと)と言う意味らしい。
この後、八坂神社本殿前に3神輿がそろい、完全消灯の暗闇の中、それぞれの神様が本殿内に戻る瞬間は、
辺りに得も言われぬ霊気が伝わると言う。
神幸祭から還幸祭の間、御旅所にいらっしゃる神様たちにお参りするのは、「無言参り」と言って
途中、誰に会っても言葉を発することはなく無言でお参りするのが、京都のしきたりだ。
神輿洗いと、月末の夏越の祓いをもって、全行事が終了し京都の町は、精霊をお迎えする準備に入る。