後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔360〕神奈川新聞「時代の正体 憲法考」(田中大樹記者)に啓発されました。

2021年04月22日 | テレビ・ラジオ・新聞
 普段は目にすることがない神奈川新聞の切り抜きをある人に送ってもらいました。「時代の正体 憲法考」という3回にわたる特集です。一読して鋭く時代を切り取るその先進性に目を見張りました。ネットでも調べてみるとこの「時代の正体」という記事は断続的に報道されているようで、多くの書籍にも収録されています。無知で浅学の己を恥じるばかりでした。
 今回はとりあえず、「時代の正体 憲法考」のさわりを紹介します。横浜事件と学術会議任命拒否問題は根底で通じる「排除」の論理があるというのです。田中記者は横浜事件の当事者の一人故・木村亨さんのお連れ合い木村まきさんに実に周到に取材して記事を書いています。ネットでは以下のようにその一部を読むことができますが、図書館などで実物を読むことをお勧めします。

■時代の正体 憲法考(上) 神奈川新聞| 2021年3月14日(日)
*横浜事件と学術会議任命拒否 根底で通じる「排除」の論理

 憲法の現場に立つ当事者の言葉から、自由や権利を改めて考える。

 国会はコロナ禍一色に染まっていた。
 1月28日、コロナ対策の特別措置法と感染症法の改定を巡る与野党協議が大詰めを迎える中、日本学術会議が声明を発表した。菅義偉首相が会員候補6人の任命を拒否した問題の発覚から4カ月、速やかな解決を求めた。
 翌29日、加藤勝信官房長官は記者会見で「任命権者として最終判断しており、一連の手続きは終了している」と不快感を示した。定員に満たない違法状態を放置する。
 さかのぼること1カ月半前、「戦時下最大の言論弾圧」と形容される横浜事件の被害者、木村亨さん=享年(82)=の妻まきさん(72)は東京・多摩の駅ホームでつぶやいた。
 「名簿も見ないで拒むなんて本当にひどいですね」(以下略)

■時代の正体 憲法考(中) 神奈川新聞| 2021年3月16日(火)
*ヤジ排除から考える 表現の自由 萎縮を危惧

憲法の現場に立つ当事者の言葉から、自由や権利を改めて考える。

 2月24日、札幌地裁(札幌市)で、ある訴訟の口頭弁論があった。発端は2019年7月15日、JR札幌駅南口の駅前広場だった。
 広場は群衆で埋まっていた。日の丸の小旗が揺れるその中に、横浜市出身の大杉雅栄さん(33)は身を置いていた。視線の先には安倍晋三首相(当時)。選挙カーに上り、参院選の街頭演説に立っていた。
 演説開始から1、2分が過ぎたころだった。「安倍、辞めろ」。大杉さんは声を張り上げた。直後、男たちに体をぐいとつかまれ、後方へと押しやられた。北海道警の警察官だった。法的根拠を尋ねたが、明確な回答はない。移動後もつけ回され、逃れることができたのは500メートルほど離れた札幌市時計台付近だった。
 駅前広場にいた団体職員の桃井希生さん(25)は、排除されたのが大学の先輩の大杉さんだとすぐに気付いた。自身も「増税反対」と叫んだ数秒後、同様に取り押さえられた。警察官はその後も傍らを離れようとせず、1時間以上付きまとわれた。この日、政策に批判的なプラカードを掲げた女性らも排除されていた。(以下略)

■時代の正体 憲法考(下) 神奈川新聞2021年3月17日(水)
*横浜事件と学術会議任命拒否 「学問の自由」を考える

 憲法の現場に立つ当事者の言葉から、自由や権利を改めて考える。
 「戦時下最大の言論弾圧」とされる横浜事件の国家賠償請求訴訟は、再審を認めなかった東京高裁の判断が確定した。2020年12月、東京・日比…(以下略)


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