平御幸(Miyuki.Taira)の鳥瞰図

古代史において夥しい新事実を公開する平御幸(Miyuki.Taira)が、独自の視点を日常に向けたものを書いています。

YAMAHA B-2の修理2013

2013-03-24 20:58:55 | アンプ製作と修理
 昨年修理して読者が使っていたヤマハのパワーアンプB-2が調子悪くなりました。左からバチッという不連続の音が時々出ます。

 トランジスタの脚に銀メッキが施されたタイプでは、大気中の硫黄で硫化して黒くなる銀マイグレーションが起こります。マイグレーションとは、渡り鳥を意味するミグラントのように、電子が隣の脚に飛んでしまう現象です。拡大すると分子レベルで飛び出したヒゲが見えるそうです。


入力&スピーカー切替&ボリューム基板 1
これだけだと何が何だか分からない 癇癪起こる <`Д´# >



入力&スピーカー切替&ボリューム基板 2
スイッチの動きを書き加えたもの(原図にLRを逆にしたミス発見)
ボリュームのinとoutの間に回転式抵抗が入る


 この現象の他にも、入力のスイッチなどが怪しいので分解洗浄。リアパネルを外すので、ついでにスピーカー端子の交換も行いました。B-2の端子は小さくて太いケーブルが使えず、また2系統が上下ではなく左右に配置されるので間違いやすい欠点がありました。今回は、使用頻度の高いA系統を下にして端子も大きく、B系統は端子を小さくして上に配置し、下の端子へのアクセスに邪魔にならないようにしました。



 端子取り付け自体も工夫し、ショートしてはならないホット(+)側を両サイドにし、差込口も斜めからにしました。ショートしても大丈夫なアース(-)側は内側で、この配置は日立のアンプと同じです。とても豪華になりました。

 古いアンプのスイッチは分解修理が良いのですが、バラして組み立てる過程で、スプリングが飛んで無くなったり、スライドする袴形のパーツが壊れたりします。画像↓を見てもらえば一目瞭然ですが、接点の両端に黒い酸化物(硫化物)がこびりついています。これを接点洗浄用のアルコールをつけ、綿棒で擦って落とします。薬局で売っている消毒用アルコールは純度が低いので、乾燥後に残った汚れで再度コーティングされるのでダメです。



 B-2の持ち主は、ワールド前に送ったLPプレーヤーの回転が変で、フリーの前に少し持ち直したと書いて来ました。真央ちゃんの演技もそのような展開で、後半に持ち直し。僕が押し付けたピエタの額も燻銀だったのですが、銀マイグレーションを暗示していたのなら驚きです。

 なお、銀マイグレーションで雑音が出る原理ですが、先の電子の飛び移りとは別の要素もあります。トランジスタの脚深く侵食した銀マイグレーションですが、黒くなった銀は強い抵抗値を示します。抵抗が強いと電流は流れませんが、何かの拍子(トランジスタと同じ原理)に電流が流れることがあります。すると、電圧=抵抗値×電流なので、抵抗値が大きいと高い電圧が瞬間的に発生することになります。これがバチッのノイズとなるのです。接点の汚れた端子でも同様です。

    エフライム工房 平御幸
コメント (4)
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