私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

スピカちゃん マンマよ

2014年05月03日 | 「いと をかし」なものたち

                     唯一無二

                       これは、我家の長女1才時代の相棒「スピカ」である。

                       昭和52年10月29日から昭和53年5月27日まで放映された
                       アニメ「牧場の少女シャルロット」の中で、主人公シャルロットの
                       ペットとして登場したのが、このハムスターの「スピカ」なのだ。

                       このアニメは、あまり人気が無かったらしく、すぐに終わってしまい
                       主人公のシャルロットは忘れ去られたが、この「スピカ」はその5年後
                       までも人気を保ち、スピカのお父さん、お母さん、赤ちゃん・・続々と
                       家族が誕生し、売れ続けたという大ヒットぬいぐるみなのである。

                       小さくて、フワフワしていて、くるんと丸い瞳で、
                       小さい女の子たちのハートを射止めたのだろう。


                       当時、我家にはテレビが無くて、そのアニメのことは知らなかったが、
                       長女が1才の時に、東京の叔母さんによって我家に到来したのであった。

                       それからは、寝ても覚めても長女はスピカと一緒に過ごした。
                       その頃、この日本中にどれだけのスピカが、少女たちのもとにいたかは
                       知らないが、我家のスピカは、長女の涙と鼻水とよだれが染みついた
                       唯一無二のスピカなのである。



                     スピカちゃんマンマよ

                       ある時はお母さんのように「スピカちゃんマンマよォ」と言って
                       自分のスプーンで食べ物を口に押し付け、外に出れば「トコトコお散歩よォ」
                       と地面に鼻をズリズリし、長女のスピカはすぐにドロドロに、はたまた
                       真っ黒になるのであった。

                       時々お風呂にも入れてやったが、染みついたものはそのまま残ってしまった。
                       今となっては、その汚れはスピカの「勲章」である。


                       胸に付けていた星のペンダントは、どこかで無くしてしまった。
                       夜空に帰ってしまったのか・・・

                       春の夜空に、ひと際輝くスピカ。
                       地上に降りて長女と私達家族に夢と幸せを運んできてくれた。

                       そして、長女のスピカは我家の重要文化財として、ガラスのケースの中で
                       今でも光り輝いているのである。
コメント (4)
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