私的美遊空間

美しく愛しいものたちへのつぶやき

骨董市で掘り出した明治の版画

2014年09月08日 | 時空を超えて来たものたち
                    
                                      縫い物 
               この版画を見つけた時は本当に嬉しかった。
               40代くらいの女性店主の店で、箱の中にいっぱいあった中から
               文字通り掘り出してきたものだ。

               紙類のものは、たいてい箱の中に重ねてしまわれているので、
               それを一枚ずつ鑑賞しながらめくり、お目当てのものを探す
               ことになる。

               何が出て来るか分からない、、次は何だろう、、
               これがたまらなく楽しいのである。

               そんな楽しみの最中にハッと出会ったのがこの版画である。
               明治31年、宮川春汀の有喜世の華(うきよのはな)美人画
               シリーズの内のこれは「縫い物」。

               開け放たれた縁側から時折涼しい風が入る居間。
               まだ夏模様の襖。
               そして着物には、秋海棠が描かれている。
               夏と秋が混在するちょうど今頃。

               赤くて可愛い着物を縫っている。
               娘さんのものだろうか、、、
               あたりはシーンとしていて、チクチクと縫っている音が聞こえる、
               そんな一コマである。

               前回の大石神社の骨董市では、明治の戦記物がほとんどだった。
               戦記物のコレクターにはお宝だが、私はやはり人物や花などの
               優しく美しいものが欲しい。

               いつかまた、ハッとしてグーなものに出会えるのを楽しみにしよう。

                                *また明日お会いしましょう。
               
               
               
               

                         

                                  
          

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