ダイナとカール

　去年、１２月の　阪神ジュベナイルフィリーズ　当日、ウインズ、競馬場でのみ限定配布。このカレンダーの２月写真は

　　　　　　アドマイヤグルーヴ　　　　枝葉を広げるダイナカール系の代表産駒　　　　

　この　エリザベス女王杯２連覇　の名牝。実に２００３年、牝馬３冠全部１番人気で全部優勝は２番人気　スティルインラブ　幸英明　漸くの再戦、牝馬３冠達成後の３歳の１１月１６日、第２８回　エリザベス女王杯　で雪辱の戴冠。翌年、２００４年１１月１４日の　第２９回　エリザベス女王杯　も連覇した。母は言わずと知れたあの　エアグルーヴ　そして、この　エアグルーヴ　の母が、１９８０年　オークス馬　ダイナカール　である。

　昨日、週中　火曜情報　で、ある事柄からこの１頭に言及したが、皆様。ダイナカール　のオークスは史上稀に見る激戦で、今でも動画サイトで確認頂けると思うが、ゴール前５頭が鼻面を揃え、雪崩れ込む大激戦。

　　　　　優勝　　ダイナカール　　　　　岡部幸雄　　高橋英夫厩舎　　　　２番人気

　これだったが、１～５着まで　ハナ、アタマ、ハナ、アタマと云う、ゴール前示し合わせた岡部、村本、的場ら名手の群集劇だった訳だが、皆様。昨今、西ヨーロッパの父とも呼ばれる、歴史上の巨大な存在、カール大帝。これの仏語読みで　シャルルマーニュ　と云う１頭もターフを走っているが、

　　　　　カール（独語）　＝　シャルル（仏語）　＝　チャールズ（英語）
　
　これを踏まえ、当然ながら、正体は

　　　　　ダイナカール　　　＝　　ダイアナ　＋　チャールズ　　　　　元英国皇太子夫妻　　　　

である。日本の皇太子殿下と同じ、皇位継承権第１位、このチャールズ皇太子の洗礼名は　

　　　　　チャールズ・フィリップ・アーサー・ジョージ　　　　　称号　プリンス・オブ・ウェールズ　　

　わたくしはこの皇太子が後援するチャリティーコンサートに行ったことがあるが、会場に掲げられた写真付の皇太子の挨拶、呼び掛けには、サインで　ＣＨＡＲＬＥＳ　とだけ記してあった。無論、肩書不要。

　歴史的事実　　

　　　　　１９８１年　７月２９日　英セントポール寺院で　チャールズ＆ダイアナ　結婚　

　　　　　１９８３年　５月２２日　第４４回　オークス　で、大激戦を制し　ダイナカール　優勝　

　このダイナカール戴冠の翌年、勝利騎手・岡部幸雄は特別な使命を担った馬　シンボリルドルフ　と無敗の３冠達成、年末の有馬では３冠馬の先輩ミスターシービー、日本初のジャパンＣ馬カツラギエース　を下し、４冠に君臨する。その後、史上初の７冠馬へ。

　そして、この　ダイナカール　の血統の枝葉、最大の傑作　エアグルーヴ　近代競馬有数の牝馬の秋の天皇賞馬を経て、辿り着く結実が　アドマイヤグルーヴ　この２月カレンダーの主。その息子が、２０１５年ダービー馬　ドゥラメンテ　であることは申すまでもあるまい。

　再度確認する、歴史的事実

　　　　　１９４８年　１１月１４日　チャールズ皇太子、誕生　　　

　　　　　２００４年　１１月１４日　第２９回　エリザベス女王杯　アドマイヤグルーヴ　　連覇で勝利　　

　これら歴史を踏まえた上、ダイナカール　と血統的に近親でも無いが、ダイアナ写しである以上、この２月のカレンダー写真を踏まえ

　　　　　２０１８年　　２月２５日　第６２回　阪急杯　　ダイアナヘイロー　　　　７番人気　優勝　　単　１６８０円　

　これがあった訳だ。２着のアスコットは、英王室の主催する最大の競馬イベント、ロイヤル・アスコットと云う開催競馬場の名前、地名。女王の別荘ウインザー城から馬車で行ける距離である。
　　　
　ダイアナ＆チャールズ　即ち、ダイナカールの子孫が、女王杯を連覇し、その血統から現れたダービー馬が、何故、競走生活の終焉で、２０１６年　宝塚記念　で２着ゴール後、競走能力喪失を診断され引退に追い込まれたのか。ダイアナ離婚、悲劇の終焉の足跡を踏み直す、退場劇だった。

　２月末の　ダイアナの人気薄、逃げ切り。予定通りだったことが解かる。今月３月はこのカレンダー、名門牧場の別の牝馬が載っている。

　　御登録　お問合せ先

　　　　　　　　sir_delacroix@yahoo.co.jp 　　　まで

　　『詳細希望』　または　『登録希望』　の件名明記にて、空メールを下さい。
　

　何故、この　ダイナカール血統　ドゥラメンテ　が、２０１５年の２冠を制した年、

　　　　　２０１５年　　２月２６日　チャールズの長男ウィリアム王子、来日。東日本大震災被災者と交流。

　　　　　２０１５年　　５月　２日　ウィリアム王子に王女シャーロット誕生　　

　　　　　２０１５年　　５月３１日　ドゥラメンテ　ダービー優勝、２冠達成

　これが重なっているのか。

　競馬の本場、近代日本競馬のルーツでもある、英国の王室に思いを致すは当然、と改めて心得る。

　日本人アカデミー賞に結実した、ウインストン・チャーチルの映画だが、去年のノーベル文学賞　カズオ・イシグロ　の最初の傑作『日の名残り』は、第１次大戦後、実は英王室はドイツ系で、旧王朝名ハノーヴァー朝（現・ウインザー朝）と云い、まだ１９２０年代には、大戦で莫大な賠償金を課され苦しむドイツ。これを救おうとする英貴族の館の物語で、英独の寄り添い、相互の良き関係を信頼する貴族らに対し、米国富豪が貴方方はアマチュアだと冷や水を浴びせ、やがてはナチス台頭、独裁へと至るドイツへの警鐘とそれを取り合わない英国貴族階級。この未だ英国がのんびりしていた時代、孤軍奮闘でドイツへの警戒を訴える、チャーチル。フランスがドイツに降伏し、凱旋門の下に鍵十字の旗が翻って初めて慌てふためいた英国首脳。敢然と一貫して対決姿勢を断固保持し、「我々は戦わずして決して負けない」と国民を鼓舞し首相を引き受けたチャーチルの時代を知る映画作品だが、２つの映画の観比べもまた、一興かも知れない。