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欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

池上彰さん風に『コンクリートの謎解説』No.5

2013年10月25日 08時45分06秒 | 建築のうんちく



『欠陥のヒビ割れと、正常なヒビ割れの違い!』



私は、コンクリートに入るヒビの中で、「微細なヒビは、欠陥と無縁の可能性」

を、説明して参りました。



しかし、中には、「欠陥が原因」で、コンクリートにヒビ割れが生じる場合が、

あります。



その違いを、素人が判断するのは、非常に難しいです!

最終的には、「欠陥建築バスターズ」の様な、スペシャリストが、判断するしか

ありません。



…しかし、誰でも、ある程度、欠陥か否かを、判定する方法が、ありますので、

ご紹介致します。





皆さん、HBの鉛筆をご用意ください!

その鉛筆を、よく削って、尖らせておいてくださいね。


その鉛筆の黒い芯の部分を、「コンクリート」のヒビの中に、入れて下さい。

もし。先端しか、入らない、或は、先端も入らないヒビは、まず、問題ないです!


もし、鉛筆の黒い芯の部分が、三分の一以上、ヒビの中に入る時は、問題ありです!




…欠陥によって、「壁にヒビが入る」場合、何かの「外圧」が「コンクリート壁」

に作用して、ひび割れが出来た可能性が、高いです。


特に、この様な場合、ヒビの左右の壁が、「前後」或は「上下」にずれて居たら、

「欠陥の可能性」が、濃厚です。



…欠陥とは無縁のヒビも、沢山あります!

よく、窓枠やドアの周囲の壁において、窓枠やドア枠の角の部分から、斜め45度

に入るヒビがありますが、その原因のほとんどは、コンクリートが硬化する時に、

コンクリートに「引っぱり応力」が生じて、ヒビが入ったモノです。

もし、窓周辺、ドア周辺の鉄筋が、適正に補強されていれば、これは、正常です!



『よく、この様な、ヒビ割れも欠陥! と、言う人が、居ますから、注意です!』




それ以外の、欠陥と無縁の、ヒビ割れに、「アルカリ骨材反応」に伴う、コンク

リート崩壊に伴うヒビもありますが、これも、欠陥によるヒビでは、ありません。



実は、「アルカリ骨材反応」(コンクリートの癌)の、メカニズムさえ、完全には

解明出来て居ないのです。

適正に造られた「コンクリート」にも、「アルカリ骨材反応」は、起きます!



『丁度、健康な人が、突如、癌になるのと似ています!』





この様に、「コンクリート」のヒビと言っても、奥が深く、簡単に素人が判断する

事は、不可能に近いです。



是非、中立公平な「欠陥建築バスターズ」まで、ご相談ください。



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池上彰さん風に『コンクリートの謎解説』No.4

2013年10月24日 08時44分04秒 | 建築のうんちく



『コンクリートはヒビが入って当然な理由!』



皆さんは、「コンクリート」に使う「セメント」を、砂や砂利を入れないで、

練って、固めた事が、ありますか?



一度、どうなるか、やってみて下さい!



「セメント」は、ホームセンタ-に行けば、比較的安く買えます。

ただ、その際に、ほとんどの「セメント」は、「モルタル」の材料にする

目的で、「砂」が混入していますので、必ず、「セメント100%」の商品

を買って下さい。



その「セメント」に、規定の水を加えて、良く練り、固めてみましょう!

すると、水を加えてすぐに、粘った様な感じになりますね。


これは、「セメント」が「水」と反応して、固まりかけて居るのです。

その時に、「熱」も出て温かくなります!



その「セメント」を、何か水を通さないビニールの上に、お好み焼きを焼く

みたいに、のせて、固めましょう。



暫くすると、「セメント表面」が、ヒビ割れて来ます!

まるで、お正月の鏡餅にヒビが入るみたいですね^^



そうなんです!

「コンクリート」にヒビが入るのは、もともと、その材料の「セメント」自体

が、固まる時に、「ヒビ割れる性質」を持っているからなのです!



ですから、「コンクリート」にヒビ割れが生じるのは、ある意味「当たり前」

の事です。


「微細なヒビ」まで、「欠陥だ!」と騒ぐ、「怪しげな建築技術者」は、

ただ、「建物調査」でカネが欲しいから、こんな事を言う訳です!




では、なぜ、「セメント」が固まる時に、ヒビが入るのでしょうか?



そもそも、「セメント」は、石灰岩からつくった「建築材料」です。

固まった状態では、非常に脆い物質です。



ですから、「セメント」が固まる過程で、内部に「応力」(力)が、発生

すると、「引っ張る力」が作用した場所は、「ヒビが入る」訳です!



物理学の話になりますが、「引っ張る力」があると言う事は、「押す力」

も同時に発生している事になります。

「プラスの力」と「マイナスの力」が、打ち消し合い、釣り合った状態

になっているからです。



先ほど、「セメント」を練ると、「あたたかくなる」と、説明しましたが、

この時に、「セメント内部」では、化学反応が起き、セメントの粒子の

回りから、角の様な結晶が成長し、セメントの粒子同士が、おしくらまんじゅう

している訳です。



だから、「温かく」なる訳です!



この時に、温度が上昇し、「セメント」内部に「膨張」が、起こります。

この「膨張」で膨らむ力が、「押す力」なのですね。




…これが、「コンクリート」にヒビが入るメカニズムなのです!



でも…

あまり、ヒビが入っては、「建築材料」として使いにくいですね!

そこで、「骨材」と言われる、「砂利」や「砂」を添加する訳です。



「骨材」を入れる事によって、「セメント」が「硬化膨張」するのを、抑える

事が出来る訳です。



…しかし、その時に、「コンクリート内部」に「眠った応力」が残ったまま

「コンクリート」が、固まってしまいます。



その「眠った応力」が、「アルカリ骨材反応」と一緒になって、悪さをします!

古くなった「コンクリート」は、自己崩壊を始める場合が、あるのです。



…これが、「コンクリートの癌」と言われる「アルカリ骨材反応」の、メカニズム

ですが、この内容は、かなり専門的なので、またの機会に…




これで、「コンクリート」には、ヒビが入るのが、当たり前な事が、お分かり

頂けましたか^^


『万物は、常に変化し、原型をとどめる事は、無いのです!』

『全ては、諸行無常!』

『家を愛するのは結構ですが、もっと、人を愛し、争わない様に!』

『欠陥裁判をやりたがる、弁護士や、インスペクターを遠ざけましょう!』



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池上彰さん風に『コンクリートの謎解説』No.3

2013年10月23日 08時45分30秒 | 建築のうんちく



『コンクリートは良く水を通す物質です。』



よく、地下室が、水浸しになった様な話は、頻繁に耳にします。

その理由は、「コンクリート」が水を良く通す物質なので、地下水が、

室内側に「コンクリート」を通して、室内に侵入する為です。



普通は、その様になると、一大事なので、「地下水が染みない処置」を

したり、溜まった水を、ポンプで汲み上げる方法を取ります。



「コンクリート」は、見た目は「硬い」ですし、「水なんて通さない」様に

思ってしまいます。


意外にも、「建築士」が、この事を知らない事も、あるんです!



実際に、ある家の地下室が、地下水の浸入で「水浸し」になった時に、

「ある建築士」は、何が起こったか、理解出来なかったと言います。



地下室のある家は、容積率も有利ですし、狭い敷地を有効に使えて

最高ですね。



…でも、「地下水位」を考えないと、後で、困った事になるんです。



こんな、失敗は多いんですよ!



皆さんが、家を建てる時は、設計する「建築士」が、「コンクリート」は

水を通す事を、知って居るかどうか、チェックした方が、良いですね!



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池上彰さん風に『コンクリートの謎解説』No.2

2013年10月22日 08時44分49秒 | 建築のうんちく




『コンクリートは、なぜ、固まるのか?』



「コンクリート」は、なぜ、固まるのでしょうか?

「水を加えるから固まるのさ!」と、思われるでしょう。

その通りです!


では、なぜ、「水を入れると固まるのでしょうか?」




…実は、この現象は、完全にメカニズムが、解明されて居ないのです!



そもそも、コンクリートには、「セメント」に「砂利」の様な「骨材」と、

呼ばれるものを入れて、そこに、水を加えて「練る」事によって、

「石灰岩」を原料につくられた、「セメント」が水で化学反応を起こし、

「硬化」するものです。



よく、一般の方は、水で練った「コンクリート」は、添加した「水」が、

乾いて固まると、勘違いされて居られる方が、居られますが、違います。




さきほど、「コンクリート」が固まる、メカニズムが、完全にはわかって

居ないと、書かせて頂きましたが、もう少し、わかり易く補足致します。


…「コンクリート」が硬化する反応を、模式的に説明しますと、

コンクリートの成分である「セメント粒子」が、水と反応して、丁度、

お菓子の「こんぺいとう」の角が、成長する様に、「針状結晶」が出来ると

考えられています。


「セメント粒子」の中心の「核」から、「針状結晶」が伸びて、「針状

結晶」同士が、絡み合い、「固まる」と、考えられています。



「コンクリート」は、硬い、脆い材料です。

又、光も、通しません。



…ですから、「顕微鏡」を使って、反応の経過を、肉眼で確認する事が、

困難な訳です!



…しかし、この「模式的モデル」が、理論的に正しい証拠があります!




「セメント」には、「セメント水比」と言う、セメントにどれ位の「水」を

混ぜれば良いか、と言う目安があります。

その「セメント水比」を変化させる事で、先ほどの「モデル」が正しい事を

証明出来るのです。



もし、「セメント」に若干多めの水を入れたとします。



それでも、水を添加した「体積」と、固まった時の「体積」は、ほとんど

変わらないのです。


…その理由は、水を多少多めに加えても、その分、「セメント」の核から

成長する、「こんぺいとう」の角にあたる「針状結晶」が、より大きく成長

する為に、硬化後の体積に、目減りが目立たない訳です。


では、うんと水を加えたら、どうなるでしょうか?



その場合は、硬化後の体積が、目減りします!

…その理由は、水が多い分、「針状結晶」が、良く成長するのですが、

結晶の成長にも限度があり、体積が、目減りしてしまう訳です。




では、、極限まで、添加する「水」を少なくしたら、どうなるでしょうか?


…一応、理論上の必要最小限の「水」を加えても、固まります。


この場合は、「水を入れて練った直後の体積」よりも、「硬化後の体積」が、

大きくなってしまいます。



…その理由は、「針状結晶」が、成長し、「結晶」の入り込む隙間が、極め

て少ない為に、成長した「結晶」同士が、おしくらまんじゅう状態で、

盛り上がり、「体積が増加」する訳です。




建築で使う「コンクリート」は、適正な「セメント水比」で練る必要が、

あります。



さきほどの「模式的モデル」で、ご説明した通り、「水が多い」と、

「針状結晶」が良く成長しますが、この「針状結晶」の部分は、機械的

強度が低い特性を持っていますので、「弱いコンクリート」になります。



ですから、出来るだけ、「硬化後のコンクリート」が膨張しない程度に、

「少ない水」でセメントを練った方が、「硬いセメント」をつくれる事が、

お分かり頂けましたでしょうか。




…「化学」を専攻された方ならともかく、普通の方が、「コンクリート」

の「硬化メカニズム」を、理解される事は、難しいと思います。



また、「コンクリート」の善し悪しを決める「要因」は、「セメント水比」

だけでなく、「コンクリートの練り方」にも大いに左右されます。


最近では、昔の様に、職人がコンクリートを「練り回す」事がなくなり

ました。



…どちらかと言うと、「機械で、コンクリートと水を、混ぜてる」様な

イメージがあります。




「コンクリート」の硬化反応は、セメントの「針状結晶」が成長すると、

説明しましたが、「練る」事で、一旦成長した「針状結晶」が、一旦

破壊され、「コンクリート」を打ち終わった後に、再び「結晶化」が、

始まります。



この様な状態で、「硬化」した「コンクリート」は、非常に硬く、

滑らかな感じの仕上がりになります。



昔の建物の「コンクリート」は、「良く練って」ありましたから、

ヒビが入りにくく、表面も、滑らかな感じなのです。



…他にも、一杯、「コンクリート」の出来を決定する「要素」があり

ますが、今日は、このあたりで…



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池上彰さん風に『コンクリートの謎解説』No.1

2013年10月21日 08時55分25秒 | 建築のうんちく



『コンクリートは2000年前に、既に実用化されて居た!』



最近、「怪しげな建築技術者」が、「欠陥でないモノ」まで「欠陥!」

と、インチキな事を言うので、今回は、皆さんに、「知られざるコンクリート」

のお話をしたいと思います。




実は、私は、「建築士」である前に、「コンクリートの研究者」であります!



ちょっと前まで、ある大学の研究室で、企業からの依頼を受けて、コンクリート

の「強度試験」をしたり、「新しいコンクリート」の開発をしていました。


是非、皆さんに、コンクリートの正しい知識を、持って頂きたく、シリーズで

「コンクリートの講義」を、致します。



…第一回目は、「コンクリートの発明」の歴史です。…





「コンクリート」が、いつ、どこで、発明されたか、ご存知ですか?

それは、2000年以上前の、「ローマ」です。


キリストが、この世に産まれるより早く、「コンクリート」は誕生しました。



この頃、日本は?

と、申しますと、やっと、「米作り」が始まった頃で、人々は、「縦穴住居」

に住んで居ました。この後、「奈良時代」まで、「縦穴住居」の時代は、続き

ます。



さて、「ローマ」では、その頃、「テルマエ ロマエ」に見られる様に、

「共同浴場」や「屋外劇場」「屋外競技場」までありました。


今、日本では、オリンピックに向けて、「国立競技場」を建て替えようと、

してますが、2000年以上前の「ローマ」には、「国立競技場」みたいな

ものが、もうあったんです!



2000年以上、ずっと、先進国なのは、実は「イタリア」だけなんです!



「ローマ」では、何と、「主食のパン」が無料で配られて居たんです。

そして、「演劇」もタダ、「格闘技の見物」もタダ、でした。


今なら、「レストラン」がタダ、「タカラズカ」もタダ、「プロレス」も

タダ! みたいな感じです。



「ローマ帝国」では、「パンと娯楽」は、全てタダだったのです!



普通、「帝国」と言うと、軍事力で、周辺諸国を制圧しますが、「ローマ」

の場合は、軍事力だけではなく、「ローマの魅力」で、周辺諸国をローマ

の配下に置こうと、考えたのです。



その「ローマの魅力」こそ、「パンと娯楽」だった訳です!




話は、ちょっと、脱線しますが…

…かつて、「朝鮮」は、自ら「日本」に対して、「日韓併合」して欲しい

と、言って来ました。

「朝鮮」は、日本の進んだ医療、産業、土木、政治が、どれも魅力だった

のです。

だから、「日韓併合」により、「朝鮮」は消え、全て「日本」になった

のです。植民地ではありません。





…ちょっと、脱線しましたが、「ローマの統治」は、「日韓併合」に近い

性格のものだった様です。





さて、ここからが、本題です!


この様な「ローマの繁栄」を支えたのは、「ローマの土木技術」なのです。

「橋」や「建物」を作る時に、彼らは「コンクリート」を使いました。


石と石を積み重ねる時に、間に「ローマン コンクリート」と言われる、

「コンクリート」を挟み込んだのです!



これによって、今までより、より大きな「建造物」の建築が、出来る様に

なりました。



日本では、まだ、「竪穴式住居」に住んで居た時代に、「ローマ」では、

「石とコンクリート」で、橋や、水道、それに建物を造って居たのです。



「ローマン コンクリート」がなければ、「ローマ帝国」は実現できな

かったかも知れません。



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