『耐震基準を下回る建物でも、倒壊しない場合がある!』
神戸の震災の後、「建物が倒壊したのは、建物に欠陥があったからだ!」と、騒ぐ人達
が多かった様に思います。
…そして、その様な人達の中で、「一部の建築士」が集まって団体をつくり、「弁護士」
と共に欠陥住宅をなくす運動を始めました。
しかし、実際、裁判の結果を見ると、「敗訴」が非常に多い事がわかります!
…ここで、今一度考えてみたいのは、「欠陥住宅だから地震で倒壊したのか?」と言う
事です。
実は、私は、神戸の震災の後で、不思議な光景を目にしました!
神戸市内の、ある場所の1キロ四方エリアにおいて、新築はほとんど全壊しているのに、
一軒だけ築50年以上の、木造二階建モルタル造の家屋が、ほとんど無傷で建っているの
を目撃しました。
更に驚いたのは、この古ぼけた家には、筋かいも無ければ、火打ばりも無かったのです。
所謂、「欠陥住宅」です!
築2~3年の家が全壊し、十分な耐震性も無い築50年以上の家が、無傷だったのは、
理論的に説明が難しいです。
…最近では、Eディフェンスと呼ばれる実験施設に、「実物大」の家を作って、巨大地震
と同じ震動を再現した実験が行われるようになりました。
実は、そこでも、耐震3階建の木造住宅は倒壊し、普通の3階建住宅は震度6にも耐え
た、奇妙な実験結果が出て居ます。
…つまり、「理論」と「結果」は、必ずしも一致しないのです!
中には、「理論」が間違っている場合さえあります。
ですから、巨大地震で家が倒壊して、「家に欠陥があったからだ!」と、決めつけては
いけないと言う事です。
最近では、仕事の無い「建築士」が、「貴方の家は欠陥です。補強しないと倒壊します!」
と、言って、確実性のないかもしれない耐震工事に、数百万請求するケースが多いです。
これは、別に悪い事ではないのですが、そんな事をしないと仕事がない「建築士」を、
哀れにさえ思います。
…神戸の大震災の後や、姉歯建築士事件の後に、次から次へと「欠陥建築を調査する人達」
や、「欠陥建築裁判の好きな弁護士」が現れましたが、最近では、なりをひそめています。
丈夫な家を作るに越した事はありませんが、この世の中に「確実」と言う事はありません。
建築家の多くが、「借家」に住んだり、「ボロ家」に住むのには、ちゃんと理由があるの
です。