欠陥建築バスターズ

土地・建物の調査研究が専門。日本の地震や災害に備えた建築や、不動産市場や世界経済の未来鳥瞰について述べています。

地震で倒壊する理由は『欠陥』だけでない!

2013年03月15日 15時26分33秒 | 建築家(建築士)に用心




『耐震基準を下回る建物でも、倒壊しない場合がある!』



神戸の震災の後、「建物が倒壊したのは、建物に欠陥があったからだ!」と、騒ぐ人達

が多かった様に思います。


…そして、その様な人達の中で、「一部の建築士」が集まって団体をつくり、「弁護士」

と共に欠陥住宅をなくす運動を始めました。


しかし、実際、裁判の結果を見ると、「敗訴」が非常に多い事がわかります!



…ここで、今一度考えてみたいのは、「欠陥住宅だから地震で倒壊したのか?」と言う

事です。


実は、私は、神戸の震災の後で、不思議な光景を目にしました!

神戸市内の、ある場所の1キロ四方エリアにおいて、新築はほとんど全壊しているのに、

一軒だけ築50年以上の、木造二階建モルタル造の家屋が、ほとんど無傷で建っているの

を目撃しました。


更に驚いたのは、この古ぼけた家には、筋かいも無ければ、火打ばりも無かったのです。

所謂、「欠陥住宅」です!


築2~3年の家が全壊し、十分な耐震性も無い築50年以上の家が、無傷だったのは、

理論的に説明が難しいです。




…最近では、Eディフェンスと呼ばれる実験施設に、「実物大」の家を作って、巨大地震

と同じ震動を再現した実験が行われるようになりました。


実は、そこでも、耐震3階建の木造住宅は倒壊し、普通の3階建住宅は震度6にも耐え

た、奇妙な実験結果が出て居ます。



…つまり、「理論」と「結果」は、必ずしも一致しないのです!

中には、「理論」が間違っている場合さえあります。



ですから、巨大地震で家が倒壊して、「家に欠陥があったからだ!」と、決めつけては

いけないと言う事です。



最近では、仕事の無い「建築士」が、「貴方の家は欠陥です。補強しないと倒壊します!」

と、言って、確実性のないかもしれない耐震工事に、数百万請求するケースが多いです。


これは、別に悪い事ではないのですが、そんな事をしないと仕事がない「建築士」を、

哀れにさえ思います。



…神戸の大震災の後や、姉歯建築士事件の後に、次から次へと「欠陥建築を調査する人達」

や、「欠陥建築裁判の好きな弁護士」が現れましたが、最近では、なりをひそめています。



丈夫な家を作るに越した事はありませんが、この世の中に「確実」と言う事はありません。

建築家の多くが、「借家」に住んだり、「ボロ家」に住むのには、ちゃんと理由があるの

です。



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