根津の湧水

2015年06月14日 | 東京のお散歩
根津、と言っても谷根千の根津ではなく、東武鉄道創設者根津嘉一郎に由来する
都内の二つの谷頭に湧く湧水です。

ひとつは、南青山の根津嘉一郎が私邸であった根津美術館。



ここは江戸時代には河内国丹南藩主で江戸定府だった高木家の下屋敷跡になります。
根津嘉一郎が明治三十九年に取得し、敷地内の傾斜を利用して庭園を整備しました。



古川(渋谷川)の支流である笄川の谷頭に位置していて、
現在でも、この庭園の池と有栖川公園の池を水源として、
古川と合流する天現寺橋まで、暗渠となった笄川は流れています。

現在、この湧水のある根津邸は、根津美術館の庭園となっています。









もうひとつの根津の湧水は、東池袋にあります。
南池袋公園から豊島岡女子学園付近にかけての旧日出町(旭出町)は戦前、小高い丘で
この丘を根津嘉一郎が所有していたことから地元では根津山と呼んでいました。



この丘の北側に蟹ヶ窪というスリバチ状の谷頭があります。
明治天皇は、この地で野立(野点)をされています。



ここから湧いた水が水窪川となり、神田川へ注いでいます。
流路であった窪地、蟹ヶ窪は現在美久仁小路という飲屋街になっています。

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