気が付けば、超長距離を走る列車は
少なくなってしまった。
航空運賃が安くなったせいもあるのだろう。
そんな中でも
6時間以上かけて東日本の日本海側を走る列車が
1往復だけ残されている。
特急いなほ号。
青森から新潟まで6時間半以上かけて走破する。
かつて、白鳥号として青森から大阪まで走っていた列車が
距離が短くなって新潟止まりになった列車である。
新潟発の下りいなほ7号だと、その工程の後半は
日没後になってしまうので、車窓を楽しむには適さないかもしれない。
(とはいえ、時期が合えば日本海に沈む夕日を見ることができる)
これは、上り新潟行きに乗るしかないだろう。
ある年、函館へ行く用事があったので
帰りに乗ってみることにした。
函館から、札幌発青森行きの
急行はまなす号に乗り、青函トンネルをくぐり
青森駅へ到着する。
ホームにはすでに新潟行きのいなほ8号が停車していて
はまなすの乗客の多くが、乗り換えた。
6:04青森駅を発車。
見た目は新しいけれど、足回りや内装は
けっこうくたびれてきている車両。
それでも特急列車らしく滑らかにスピードを上げてゆく。
青森市街は、外ケ浜から浅虫にかけて栄えているために
奥羽本線側は三内丸山遺跡の近くを過ぎると
すぐに峠に入ってしまう。
峠を降りると弘前。
最初の停車駅である。
弘前はもともと津軽氏(常陸宮正仁親王妃華子殿下の生家)の
城下町として栄えた街で、青森市よりも栄えている。
弘前からは再び峠越え。
途中、弘南鉄道の除雪車が車窓に見える。
さすがに豪雪地帯だけあって
除雪車を見ただけでもその雪の深さが想像できる。
青森から秋田、山形を抜けて新潟までの道中は
あまりにも長い。
途中、青森行きのブルートレインともすれ違う。
これだけの距離は、椅子に座りっぱなしは尻にも精神衛生上もよくない。
さっきすれ違ったブルートレインは、ベッドが付いている。
うらやましい…
かつての特急電車には必ず付いていた食堂車か
それにかわるような施設でもつけてくれるとありがたいのだが
まぁ、この列車を通しで乗る人も、そうそういないだろうし
他の列車との共通運用だとそれも難しいんだろうな…
秋田は、駅前にパルコがあるので「都会」と判断していいだろう。
で、その秋田を出てしまうと新潟までは日本海の海岸沿いを進むのだが
この先はこれといった大きな町はなく
特に山形県は内陸に都市が発展しているので
海を見るか鳥海山を見るしか
することが無くなる。
自分でも、特急電車に乗っているのが嫌になってきたのがわかるw
今までの道中、新幹線やら在来線で太平洋側へ抜ける手立てはいくらでもあった。
もちろん秋田から新幹線に乗ってしまえば
昼には東京へ戻ることさえ可能なのだ。
うたた寝と覚醒を繰り返しながら新潟県に入り
村上駅を出た頃に、ある欲求が頭の中を支配した。
「そうだ、遠回りをしよう!」
ここまできて何を考えているのか判らない自分の脳みそwwww
坂町駅で、いままで6時間乗り続けてきた列車を乗り捨てた。
正午すぎのこと。
いなほ号が過ぎ去ったあとには
虚しさや寂しさなどは残らない。
夏草が伸びた広い構内と
間をおかずにやってくる普通電車を待つ乗客たち。
ホームに降り立って覚えたのは
空腹と、「さぁ、これから旅をはじめるぞ」
という、勘違いだけであった(つづく)
少なくなってしまった。
航空運賃が安くなったせいもあるのだろう。
そんな中でも
6時間以上かけて東日本の日本海側を走る列車が
1往復だけ残されている。
特急いなほ号。
青森から新潟まで6時間半以上かけて走破する。
かつて、白鳥号として青森から大阪まで走っていた列車が
距離が短くなって新潟止まりになった列車である。
新潟発の下りいなほ7号だと、その工程の後半は
日没後になってしまうので、車窓を楽しむには適さないかもしれない。
(とはいえ、時期が合えば日本海に沈む夕日を見ることができる)
これは、上り新潟行きに乗るしかないだろう。
ある年、函館へ行く用事があったので
帰りに乗ってみることにした。
函館から、札幌発青森行きの
急行はまなす号に乗り、青函トンネルをくぐり
青森駅へ到着する。
ホームにはすでに新潟行きのいなほ8号が停車していて
はまなすの乗客の多くが、乗り換えた。
6:04青森駅を発車。
見た目は新しいけれど、足回りや内装は
けっこうくたびれてきている車両。
それでも特急列車らしく滑らかにスピードを上げてゆく。
青森市街は、外ケ浜から浅虫にかけて栄えているために
奥羽本線側は三内丸山遺跡の近くを過ぎると
すぐに峠に入ってしまう。
峠を降りると弘前。
最初の停車駅である。
弘前はもともと津軽氏(常陸宮正仁親王妃華子殿下の生家)の
城下町として栄えた街で、青森市よりも栄えている。
弘前からは再び峠越え。
途中、弘南鉄道の除雪車が車窓に見える。
さすがに豪雪地帯だけあって
除雪車を見ただけでもその雪の深さが想像できる。
青森から秋田、山形を抜けて新潟までの道中は
あまりにも長い。
途中、青森行きのブルートレインともすれ違う。
これだけの距離は、椅子に座りっぱなしは尻にも精神衛生上もよくない。
さっきすれ違ったブルートレインは、ベッドが付いている。
うらやましい…
かつての特急電車には必ず付いていた食堂車か
それにかわるような施設でもつけてくれるとありがたいのだが
まぁ、この列車を通しで乗る人も、そうそういないだろうし
他の列車との共通運用だとそれも難しいんだろうな…
秋田は、駅前にパルコがあるので「都会」と判断していいだろう。
で、その秋田を出てしまうと新潟までは日本海の海岸沿いを進むのだが
この先はこれといった大きな町はなく
特に山形県は内陸に都市が発展しているので
海を見るか鳥海山を見るしか
することが無くなる。
自分でも、特急電車に乗っているのが嫌になってきたのがわかるw
今までの道中、新幹線やら在来線で太平洋側へ抜ける手立てはいくらでもあった。
もちろん秋田から新幹線に乗ってしまえば
昼には東京へ戻ることさえ可能なのだ。
うたた寝と覚醒を繰り返しながら新潟県に入り
村上駅を出た頃に、ある欲求が頭の中を支配した。
「そうだ、遠回りをしよう!」
ここまできて何を考えているのか判らない自分の脳みそwwww
坂町駅で、いままで6時間乗り続けてきた列車を乗り捨てた。
正午すぎのこと。
いなほ号が過ぎ去ったあとには
虚しさや寂しさなどは残らない。
夏草が伸びた広い構内と
間をおかずにやってくる普通電車を待つ乗客たち。
ホームに降り立って覚えたのは
空腹と、「さぁ、これから旅をはじめるぞ」
という、勘違いだけであった(つづく)