明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『蘭渓道隆天童山坐禅図』の背景は、数十年ぶりにアイデアスケッチなどしたせいで、頭の中で熟成され、実にあっけなく、滝を加えれば完成となる。そびえる山も禅師が坐禅する岩も、全て実景ではなく、手のひらサイズの石である。となると実景の滝のデータは合わないだろう、以前から考えていた方法で作ろう、と考えていた。肝心なのは虚実のバランスである。ところがある方法で作った『慧可断臂図』の岩窟と違って、今回は本物の石ではある。 虚実の間で“夜の夢こそまこと““眉間にレンズを当てる念写が理想“を標榜し、別なカットでは、禅師の頭上から龍により法の雨を降らせようとしているのに立ち止まる。こんなことで悩む人がおらず「あんたはこういう時どうしてる?」なんて話相手が相変わらす皆無な私である。

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