明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



水石を霧吹きで濡らしては拭いながら、使いたい所を撮影していく。書斎派という言葉があるが、中国の仙人が住まうが如き深山風景も、キャベツ大から手の平サイズの石で作る予定である。雪舟など、中国で絵を学んだ連中の中には、中国の山水画が創作ではなく、そのままだと驚いた人間もいただろう。仙人や寒山拾得など、超俗の存在を理想とした世界があった。おそらく中国に行って実景を撮ったところで、もはや私の作品には合わないだろう。 陶芸家を志望していた工芸学校時代、写真家志望の友人と飲んでいて口ゲンカ。「お前みたいな雑な奴に良い器なんか作れるか!」こちらも「お前があの娘を可愛くした訳じゃないし、あの山だってお前が雄大にした訳じゃないだろ!」彼の予言の正しさは証明され、口は災いの元。と手の平の上の石を見つめる私。.

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )