明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



最近、撮影に多少工夫を加えている。例によって人に話して通じるようなことではないので書かないけれど。わざわざ立体という陰影を作り出しておきながら、あえてそこから陰影を排除する。残り時間も少なくなりつつあるのに、私のような病的な面倒臭がりが、こんなことを始めた。臍下三寸辺りのもう一人の私の本意に迫りたいと考えている。 雷鳴轟くシナ海の船の帆柱の先端に立つ半僧坊。中国からの帰路、禅師の乗る船を博多まで導く。まさに道開きの猿田彦が原型だろうという場面である。不穏なムードの背景は既に出来ているが、そこに稲妻を描く練習をする。小学校の時に描いたキングギドラが口から吐く光線、あるいはメーサー砲の要領である。 明日、粘土が届くので、建長寺のビャクシンの樹を見上げ、この七百数十年を想い合掌する蘭渓道隆を制作する。

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