小倉馬借と旦過市場界隈。〈C〉著作権者: 永野宏三・ひろみプロ
旅の途中ですが、師走の買い出しに旦過に行くことにしました。年にほとんど訪れることはないのですが、なぜか師走になると決まって訪れます。師走小倉の風情ここにありといった趣きが惹き付けるのでしょうか。
旦過市場の通りはあわただしげに、店と買い物客が賑やかにひしめき合って師走の活気が増しています。神嶽川を挟んで、向いの馬借界隈は街の風景が随分と変わってしまいましたけれど、ぼくはこの界隈がもっとも小倉らしいなと思います。
細長い通りの旦過市場をずんずん入って行くと、「旨いよ~、買うていかんね」と歯切れのよい売り声が響きます。昔ながらの軒先き対面商売は、お店によって言葉ひとつとっても言い回しがおもしろく、何だか市場が寄席小屋や劇場にも思えてきます。通りは下町風情を保っていて懐かしさを感じさせてくれます。通りはこれから買物客でさらに賑やかになります。