永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

住む人のいる町のデザイン。

2008-02-18 20:29:23 | 日記・エッセイ・コラム
僕の住んでいるところは門司です。海峡と山に挟まれている町です。ここ数年レトロとか、海峡の風景をを取込んだ景観保全とか観光で賑わいのある街にしようという動きが行われています。それはとてもいいことなのですが、町の風景を気をつけて見ていると、門司らしさが少しずつなくなってきているような気がします。人が中心の風景ではないのです。いま社会は不安定になって、毎日のニュースを見ていてもネガティブなことばかりが多く、なぜかしら町が乾燥しているような気がします。本来、自分の生活の場である町の姿。生活の潤いのある町が消えていっているような気がしてなりません。門司はすごくおおらかな性格を持った町です。時代の流れと言ってしまえばそれまですが、あまり観光化された門司は人のこころがあるような町ではないような気がします。もうそろそろレトロ
というキーワードから、人が住める門司のほうが長いスパンでみると住んでいる人間にとっては安心だし、人がこの町に集まってくるような気がします。僕が作った絵本『小さな町はたから箱』はそんなメッセージを発信しています。ひとりよがりな考えかもしれませんが、笑う門の司=門司。人の声がする町になったら良いなと思います。