かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

ブログ版 馬場あき子の外国詠291(トルコ)

2018年02月25日 | 短歌一首鑑賞
 ブログ版馬場あき子の外国詠39(2011年5月実施)
   【遊光】『飛種』(1996年刊)P128~
   参加者:K・I、崎尾廣子、佐々木実之、曽我亮子、H・T、鹿取未放
   レポーター:崎尾廣子
   司会と記録:鹿取未放

291 驢馬のあざみ驢馬の胡瓜みな棘ある草驢馬はかなしき棘食む馬か

        (レポート)
 この1首は初句から3句までが字余りである。が「驢馬」を3回、「棘」を2回用いることによってたたみこむような不思議な調べを作っている。辞書によると驢馬はウサギウマとも呼ばれ粗食に耐え、労役に耐えられるとある。結句の余韻を受け止めたい。(崎尾)


     (当日意見)
★「驢馬の胡瓜」「驢馬のあざみ」と呼ばれている野生の草があるのでしょう。「烏のエンドウ」
 とか「雀のエンドウ」とおなじような言い方でしょう。きっと棘があって食べにくいしおいしく
 ないのでしょう。それを、驢馬はあてがわれて、お腹が空いているから仕方なく食べるのです。
 作者はそのことに哀れさを感じているのでしょう。(鹿取)


     (まとめ)
 人間の食べる胡瓜にも棘はあるし、蔓には更に鋭い棘がある。あざみにだって花にも茎にも鋭い棘がある。驢馬のと形容されたこれらの植物はどのくらいの大きさなのか、ネットで調べてみるがよく分からない。小さい体なのに馬のようにこき使われて、馬ほどは大事にされず、棘ある草くらいしかあてがわれない。しみじみと驢馬をあわれんでいる。(鹿取)

 


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