かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠73(スペイン)再

2015年10月17日 | 短歌一首鑑賞
  馬場あき子の外国詠8(2008年5月)
       【西班牙 Ⅰモスクワ空港へ】『青い夜のことば』(1999年刊)P51
       参加者:N・I、M・S、H・S、T・S、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
       レポーター:H・S
       まとめ:鹿取未放


73 清掃の女の一団もりもりと乗り込み来たるこれぞモスクワ

         (まとめ)
 前のロマンチックな歌から一転して現実的。そのコントラストが面白くしくまれている。「もりもりと」に、いかにも肥えた逞しいロシア女性の姿が見えるようだ。
 この一連、重いテーマから軽やかなもの、可愛らしいもの、ロマンチックなものとがうまく配されていて、移りゆきの妙・連作の醍醐味を味わえる見事な構成になっている。(鹿取)


             (レポート)
 この歌に詠われている清掃の女の一団はモスクワ空港に待機している旅客機の中に乗り込んできたのであろうか。ユーモラスな表現によってロシアの国のおくにがらを、人を象徴している。雪に育てられた女性達を想像する。モスクワという都市の根を支えているのはこのような女性達なのであろう。モスクワの一面を知らされる。(H・S)


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