脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

ミツバチ謎の大量死 水田の農薬原因か

2012年09月25日 | 農薬

農水省の研究プロジェクトが、農薬がミツバチの大量死の原因の一つであることをつきとめる。ただしその対策としては、ミツバチを農薬に近づけない工夫をというだけ。

朝日新聞2012年9月15日 ミツバチ謎の大量死 水田の農薬原因か

水田にまく農薬によってミツバチの大量死が起きることが、農林水産省の研究プロジェクトの調査でわかった。ミツバチのなぞの大量死が全国的に問題になっており、ほかの原因も指摘されてはいるが、農薬が原因の一つであった可能性が高い。調査結果は大量死を防ぐ対策に役立つという。

ミツバチの大量死は国内では2000年代後半から問題化。09年には、養蜂業だけでなく、ハチによる受粉が必要な果樹栽培への影響が懸念された。ダニや病気、農薬などが原因として指摘されていたが、詳しく分かっていなかった。畜産草地研究所の研究チームは、北海道でミツバチの巣箱を無作為に14カ所選んで調べた。水田近くでは、ハチがイネの花粉を集めていることを確かめた上で、農薬の散布によって大量死が起きるかをみた。巣箱が水田から2キロ以内の群れや、集める花粉のうち7,8割がイネであった群れが大量死を起こしていた。水田から遠い群れやイネ以外の植物から多くの花粉を集める群れで死んだハチの数は少なかった。また、イネの開花前に農薬をまいても、大量死は起きなかった。

夏はイネ以外に花粉を集められる植物が少ないため、ハチがイネに集まり大量死が起きやすいと研究チームはみている。チームの松本崇さん(現・滋賀県立大学研究員)の実験では、大量死は農薬散布から24時間以内に集中。浴びてもすぐには死なない程度の農薬の濃度でも、巣に帰るハチが減ることなどもわかった。松本さんは「水田に農薬をまく時期を事前に確認し、そのときには一定期間ミツバチを近づけなければ、大量死やハチヘの悪影響は減らせる」と指摘している一(小坪遊)