フランチャイズ開業&読書日記・・・どこまで行くの?

2010年7月からフランチャイズ店の営業開始。サラリーマンを辞めての再スタートになります。

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自壊する帝国

2008年11月11日 01時50分54秒 | 書評 その他
「国家の罠」を書いて世間に衝撃を与えた佐藤氏の、
ソ連邦崩壊の過程における人間模様を描いたのが
「自壊する帝国」です。

自壊する帝国 佐藤優著 新潮文庫


「国家の罠」もそうですが、扱う題材の面白さもさることながら
複雑なストーリーにもかかわらず、非常に読みやすく
文章の運びがうまくて、物語に引き込まれていきます。

同志社大学神学部大学院を修了して、組織神学の研究者をめざした
佐藤氏がなぜ外交官専門職の試験を受けたのか?
その理由も明かされています。

佐藤氏が外務省に入省したのは1985年。
奇しくも1985年にソ連ではゴルバチョフが共産党書記長に選出され
西側諸国では「プラザ合意」がなされています。

チェコへの赴任を希望し
必ずしも本意ではなかったロシアへの配属が
佐藤氏の人生を大きく変えていった過程が
生き生きと描かれています。

そして、ロシアで関わった人々との交流が
ソ連崩壊への過程にどのように影響したのかが赤裸々に
記述されていきます。

佐藤氏が典型的な外交官ではないということは
その後の氏の現在に至るまでの顛末から推測されますが、
それでも本書を読んで外交官という職種は
「ここまでできるのか」という驚きの事実が
本書にはたくさん書かれてありました。

佐藤氏自身の行動自体には毀誉褒貶があるかもしれませんが
佐藤氏が類まれなる才能の持ち主だということは
本書を読んでよくわかりました。

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