迷惑な人・・
はどこにでもいるものなのだ
楽器店を訪れるお客さんにも少なからずいるのだ
先日、出先の楽器店を訪れた時の話になる
得意先が近くにあるので月に数回ほど訪れる
弦や小物を買ったことが何度かある
入り口付近からギターの爆音が耳に届く
「何かのイベントでもやってるのかな?」
イベントではないのだ
単なるお客さんの『試奏』なのだ
試奏を履き違えている人も少なくない
その楽器店ではサービスとして真空管アンプを貸し出している
フェンダーのツインなのだ
試奏にしては贅沢だと思う
しかしながら、本気でギターを買おうと思っている通なお客さんには効果があると思う
小型のコンボアンプでは雰囲気がでないのも事実
ツマミはお客さんの常識に任せている
”音量はここまで!”
というスタジオなどで見かける命令口調のシールは貼られていない
場所柄、ギターを良く知る層が訪れる
都内には『楽器の聖地』が点在している
聖地はお茶の水だけではないのだ
客層と品揃えなどで明確に差別化が図られている
楽器を良く知る人は訪れる街を間違えることはない
そのお客さんは友達と二人で来店していた
「たぶん買わないな・・」
私には勘で分かるのだ
その雰囲気と顔つきで分かってしまうのだ
楽器店の店員さんも困り顔なのだ
冷やかし系に2パターンある
ネットで見つけた楽器を確認する為に来店するタイプ
常識としてかなり失礼だと思う
他人の立場になって考えるという教育が逸脱している
親の顔が見てみたい・・
困ったことに結構な年齢にもこういう人がいる
常識&非常識は年齢ではないことが分かる
もう一つはストレス発散タイプ
ここ2年くらいで出没するようになってきた
こんなご時世なのだ
みんなそれなりにストレスや不満を抱えているのだ
楽器店での傍若無人な振る舞いで発散できるのだろうか?
今回のケースは後者のパターンに思えた
まぁ、私も暇ではないので最後まで確認することができなかった
行きつけの楽器店ならば、後日に尋ねることができるのだ
「あのお客さんどうした?」
という感じなのだ
今回の楽器店では私は一般客なのだ
楽器店で試奏するタイプも幾つか分類できる
まったく弾けない人と腕を自慢したい人
面白いことに中間層は意外にギターを弾きたがらない
少し弾けるようになると羞恥心が芽生えるのだ
これは世の常なのだ
ギターのことを良く知らないからこそ恥ずかしげもなく人前で弾けるのだ
少なからずそういう部分はあると思う
読者の皆さんは如何だろうか?
練習過程の過程の曲を他人に聴かれるのは如何だろうか?
「まだ練習中だから下手だよ・・」
心の中でそんな言い訳をしている自分が嫌になってくる
楽器店はある意味では戦場なのだ
そこには小さな戦いが存在する
楽器店を訪れる人の多くは楽器好き
そして、自分でも少しは弾くという人が多いと思う
そもそも、楽器に興味がない人は来店しない
街の洋服屋さんとは違うのだ
マニアックな世界なのだ
他人が試奏していると自然に耳を傾けてしまう
そして、自分と比較しているのだ
無意識に腕前を比較しているのだ
私にもそんなところが少なからずある
ネットなどでも他人のプレイが気になる
自分よりも上手い人のプレイには多大な影響と刺激を受ける
軽い嫉妬心はギター練習に良い影響を与えると思うのだ
「他人なんか気にしね~よ」
と強がる人は伸びないのだ
これはギターの世界だけに限らないと思う
適度な競争心は人間を強くさせる
楽な方へ逃げているギター弾きに希望はない
先日、紹介した『悲しみのアンジー』も上手い人のプレイに刺激を受けた
「もっとアレンジを研究しなくちゃダメだなぁ・・」
そんな感じでかなり頑張って練習したのだ
アレンジも試行錯誤の日々だった
自由なアレンジには終わりがないのだ
それを決めるのも自分ということになる
趣味のギターなれど、極めれば自己責任と自己完結の世界なのだ
結果として私の十八番になった
中途半端な練習はすぐに忘れてしまう
苦労して習得した曲はそう簡単には忘れない
私はブラインド(暗譜)で弾ける曲が数曲ある
とりあえず、ギターを抱えると一回ししてから新たな練習に入る
指を温めるという意味も兼ねる
同じ曲を何回も弾いていると別のアレンジが浮かんでくる
名曲には優れたコード進行という土台があることに気づかされる
アレンジ話はここまでなのだ
私は熱くなってくるとすぐに脱線してしまう
必要以上に説明したくなってくるのだ
この性分は変わらないと思う
それで良いと思う
楽器店の迷惑なお客さんはまだまだいるのだ
使い込んだギターケースを新品に交換しろという人まで現れる
「おたくで買ったケースの取っ手が壊れた」
「えっ? 3年くらい前に買ったんだけど?」
「それくらいじゃ壊れないよね? どうよ?」
困った人なのだ
どういう教育を受けてきたのだろうか?
冗談ではないのだ
本人は至って真顔なのだ
結論を先に述べると有償修理という扱いになった
当然だと思う
保証期間という概念も曖昧なのだ
デジモノに関しては期間も含めてカッチリしていることが多い
楽器やケースなども臨機応変といったところだろうか?
楽器店に要相談なのだ
いずれにしても人間としてどうなのか?
常識として適切なのか?
という部分が大事になってくる
ネットのレビューなどでも苦情を書き込む人がいる
「新品なのに薄らとキズがはいっていました」
「がっかりですよ ホントに・・残念ですね」
どの程度のキズかは不明だが・・
そういうレベルの人がギターを愛好していることが残念なのだ
私も細かい性格だが楽器店を困らせるような苦情は言ったことがない
買ったギターに多少のキズを見つけてもスルーする
正直な話、そんなことをクレームにしているようでは笑われる
楽器店と仲良しにはなれない
まぁ、難しい部分だと思う
私は行きつけの楽器店に関しては身内感が強いのも事実
一般のお客さんとは少し異なる気もするが・・
試奏の時に加減なくギターを弾き倒す人も迷惑なお客だといえる
「ピックを禁止にしたら?」
と提案したことがあるのだ
楽器屋のお兄さんは苦笑しているのだ
「それは無理ですよね 実際のところ」
ちなみに私は試奏は指で弾く
ピックを勧められることもあるが首を横に振る
ピックなど無くても十分に各部のチェックは出来る
むしろ、指で弾いた方が弦の強いアタック感が得られる
強く弾いた時にビビるという個体もあるのだ
ポジションによって微妙な鳴りの場合もある
指で爪弾いて良いギターはピックでカッティングしても気持ち良い
クリーンがキレイなギターは歪ませても良いという理屈に似ている
試奏はギターの経験と技量が問われる
動画などを観ていても上手い人は軽々とギターを弾いている
軽く弾いているのに強い音が出る
音量ではない強さなのだ
言葉は悪いが下手な人や初心者が闇雲に音量を上げている音とは区別したい
良いギターは小さな音量で弾いても心に沁みる
場合によってはアンプレスでも十分に良さを確認することができる
アンプの大音量と周囲の気配で見落としてしまう物も多い
以前にこのブログでお話したが・・
ベッドや布団の上で仰向けになってエレキを爪弾いてみることをお勧めする
色々なことに気づくはずなのだ
「ん? 意外に楽しいかも?」
アンプレスは技量が問われるのだ
ギター弾きとしての技量や引き出しがない人は秒で飽きてしまう
これはエフェクトにもいえる
上手い人は直アンプに萌えるのだ
一流のギタリストは意外にも機材が少ない
音作りに興味がある方は検索してみていただきたい
所謂、名演&名盤と呼ばれる演奏は少ない機材で構成されていることが多い
ペイジ氏がインタビューで語っていた
「一枚目と二枚目のアルバムはドラゴンテレキャス一本だよ」
「必要最小限のエフェクトとスプロのアンプ一台だけだよ」
私はこの言葉に心が揺れた
クラプトンなども名演『クロスロード』ではファズ一個なのだ
ギターの最も楽しい部分と奥深い世界が詰まっている
繊細なピッキングと微妙なボリュームコントロールがすべてなのだ
自分が上手くなってくると機材が不要だということに気づくようになる
自分のスキルアップと同時進行で好きな音の傾向も変わっているのだと思う
私の理想の音はジミヘンのサウンドなのだ
クラプトンと同様にファズとワウペダルだけなのだ
ファズを接続したまま奏でるクリーン~クランチは絶妙なのだ
ボリュームを絞って作り出しているという
英国系のギタリストが好む手法なのだ
トーンはフルテンということが多い
こんな情報もかなり参考になる
伝説は魔法の指先で作り出されている
楽器店を困らせるようなお客さんには遠く無縁の世界だと思う
ギターくらい愛好者の裾のが広い世界も少ない
年齢、性別、環境など色々な要素が絡み合う
ギターの良いところは『平等の理論』に尽きる
ある意味で人間の寿命にも似ている気がする
万人に平等に権利が与えられる
練習をサボっている人にはそれなりの結果しか得られない
真面目にコツコツと練習を続けている人には必ず結果が訪れる
迷惑なお客さんはまだまだ続くのだ
強引に値引きを要求するお客さんも嫌われる
「ネットの方が安くねぇ!?」
そもそも土俵が違うということを理解していないのだ
リアル楽器店のメリットを理解していないといえる
ネットショップのデメリットも理解出来ていない
ギターは買ってからが難しい
弾きこなすことも難しいが管理にも神経を磨り減らす
買ったままのギターが自分の好みにドンピシャというケースは皆無
アコギならば、ナットやサドルの調整も必須項目なのだ
廉価な価格帯になればなるほどシビアだといえる
ネット購入ではその後は自己責任
出荷時の調整と自分の好みの差を埋めるのも自分自身
それが正しいか? 否か?を見極めるのも自分
相談できる友達などがいない場合にはどうするのだろうか?
ちなみにギターに無知で下手な友達には何のあてにもならない
訊くだけ無駄ということになる
一方でリアルショップの場合にはアフターまで面倒を見てくれる
より良い状態になるように調整&指導してくれることも多い
プロのアドバイスは大きいと思う
調整の過程で構造上の不具合が発生した場合にはそれも含めて面倒を見てくれる
中古のギターには注意が必要だと思う
中古ならではの不具合や癖という物があるのだ
経験がない人は素直に新品のギターを買った方が良いと思う
間違ってもお得なギターはゲットできない
非常に難しい世界なのだ
楽器店で遠慮なしにガンガンに弾く人はどんな心境なのだろうか?
スタジオの代用なのだろうか?
自己アピールの場にしているのだろうか?
日々のストレスを発散しているのだろうか?
私には良く分からない
連れで来店する場合、ギターを弾くのは一人が多い
もう一人は応援団なのだ
カップルなどに良く見られる傾向でもある
店内の床にあぐらをかいてアコギを弾き倒しているカップルに閉口したことがある
大声で歌っているのだ
彼女は彼氏の姿に見惚れているのだ
男女関係も摩訶不思議・・
20代のカップルが超高級なアコギを試奏している姿に妙な違和感を覚えた
「結局、何本か弾いて帰っていきましたよ」
案の定のパターンなのだ
幸いにもピックガードに目立つキズはついていなかった
「高級なアコギは難しいんじゃない?」
店員さんは私の言葉に苦笑いしているのだ
楽器店にも格のような物がある
廉価のギターばかり並べている楽器店は馬鹿にされる
そんな状況では間違っても高額なギターは売れない
見せるギターも大事なのだ
書店でも一冊を売るために10冊くらいの捨て本を用意するという
捨てるわけではないが返本を想定しているという
他の商店でも似たようなことがある気がする
楽器店の場合、売れ筋だけを並べていてもダメなのだ
人気色を売る為に不人気な色を揃えることも多々ある
出入りの営業マンとの絡みもあるという
「こんなギター仕入れたの? 売れるかな?」
私は正直なのだ
仲良しだけに何でも言えるのだ
「そうですよね~ でも、面白いかなって?」
時には目立つギターでお客さんの気を引くことも大事なのだ
「おぉ~ 新しいギター入荷したの?」
「派手だね~ 俺は買わないけどさ」
「若い子にはウケるんじゃないかな?」
常連さんの反応も悪くない
迷惑なお客さん・・に戻ろう
使った弦の返品を求めるお客さんもいる
恐い時代になったと思う
「あのね 弦張ったんだけど・・」
「音が悪いんだよね 交換してよ」
音が悪い原因は弦だろうか?
「錆びてるんじゃないの?」
「そういのあるっていうよね」
いつの時代の話をしているのだろうか?
錆びた弦など皆無だと思う
現代はどこのメーカーでも品質管理は万全なのだ
錆びた弦を売っているようでは競争に負けてしまう
悪い噂は光の如く早い時代なのだ
自分の技量を棚に上げる
そういう人も少なくない
残念だがそういう人もギターを愛好しているのだ
誰でも楽しめる敷居の低さが色々な諸悪を呼び込むのだ
安いギターは1万円から揃う
「ギターでも始めてみるかな?」
「俺でも弾けるんじゃねぇ!?」
動画の力は恐ろしい・・・
動画効果でかなりのギター売れたそうだ
そして、かなりのギターが中古市場に流入した
廉価ギターの沼なのだ
読者のみなさんは時代に流されないでいただきたい
古典宜しく自分の信念を貫いていただきたい
ギターを本気で愛している人が迷惑な客になることはあり得ない
私はそう信じたい😉