早い春はまだまだ冬の色を残しているけれど、東の空の鉛色は少しずつ和らいできています。
朝日こそ地平線の奥深くに沈んでいますが、今日も昨日と変わらずに、昨日よりも一層黄色や赤を鮮やかにして昇ってくるでしょう。
今日、僕は暗い朝に起きて、星と月が段々と消えていくのを見ています。
まばゆい朝日を全身で受け止めている時も、きっとあなたは夢の中だと思います。
今は未だ空気が冷たくて、目覚める前の空は緊張しているようです。昨日の僕のように。
震える僕の手は頼りなかったでしょう。
味気ない真っ白な便箋に綴った文字も、やっぱり震えていたかもしれません。
でも、そこに留められた言葉の一つ一つは震えることなくあなたに伝わったと思います。
あなたは、その手紙を目の前で読んでくれました。
目線が文字を辿ると、僕の心臓は小鳥のそれと同じでした。
そっと便箋をたたんだあと、あなたは少しうつむいて返事をくれました。
西日が強すぎる階段の踊り場は、あなたと僕の影をはっきりと落としていて、あなたを幸せにする人はきっと、この影も全て包み込んでしまうのでしょう。
西日が教えてくれた事です。
僕のことを何とも思っていなくても、その一言を喉の奥から絞り出すのは辛かったと思います。
そのあと、ごめんなさいと謝るのも、ありがとうとお礼を言うのも違う気がして、
僕は苦笑いを浮かべるしかなかったのです。
あなたが便箋をクシャ、と強く握る音を聞きました。
あなたが階段を落ちるように駆け下りていく音を聞きました。
その音を聞きながら僕があなたを思う気持ちは、やっぱり昨日と変わらない気がします。
しかし、決して待っている訳ではありません。
僕の勝手極まりないですが、こうして昇ってきた朝日を全身で受け止めて思いたいことがあります。
この平凡で穏やかな日常がこの先も続いていって欲しいです。
あなたの幸せとあなたを幸せにする人の幸せが繋がるように。
今日も明日も不幸せな事が多く起きないことを願っています。
あなたの幸せとあなたを幸せにする人の幸せが増えるように。
けれど、どんな事が起こるとしても今日が始まりますように。
光だけを求められないから、僕の影が庭の芝生の上に伸びています。
この光や影は昨日の落日とよく似ていました。
朝日が教えてくれた事です。
でも、あなたにとって朝日は落日の気配を感じる事もなく、どんな時も朝日であって欲しいと。
今、僕はそんな風に思って、冬に別れを告げる夜明けを見送っています。
朝日こそ地平線の奥深くに沈んでいますが、今日も昨日と変わらずに、昨日よりも一層黄色や赤を鮮やかにして昇ってくるでしょう。
今日、僕は暗い朝に起きて、星と月が段々と消えていくのを見ています。
まばゆい朝日を全身で受け止めている時も、きっとあなたは夢の中だと思います。
今は未だ空気が冷たくて、目覚める前の空は緊張しているようです。昨日の僕のように。
震える僕の手は頼りなかったでしょう。
味気ない真っ白な便箋に綴った文字も、やっぱり震えていたかもしれません。
でも、そこに留められた言葉の一つ一つは震えることなくあなたに伝わったと思います。
あなたは、その手紙を目の前で読んでくれました。
目線が文字を辿ると、僕の心臓は小鳥のそれと同じでした。
そっと便箋をたたんだあと、あなたは少しうつむいて返事をくれました。
西日が強すぎる階段の踊り場は、あなたと僕の影をはっきりと落としていて、あなたを幸せにする人はきっと、この影も全て包み込んでしまうのでしょう。
西日が教えてくれた事です。
僕のことを何とも思っていなくても、その一言を喉の奥から絞り出すのは辛かったと思います。
そのあと、ごめんなさいと謝るのも、ありがとうとお礼を言うのも違う気がして、
僕は苦笑いを浮かべるしかなかったのです。
あなたが便箋をクシャ、と強く握る音を聞きました。
あなたが階段を落ちるように駆け下りていく音を聞きました。
その音を聞きながら僕があなたを思う気持ちは、やっぱり昨日と変わらない気がします。
しかし、決して待っている訳ではありません。
僕の勝手極まりないですが、こうして昇ってきた朝日を全身で受け止めて思いたいことがあります。
この平凡で穏やかな日常がこの先も続いていって欲しいです。
あなたの幸せとあなたを幸せにする人の幸せが繋がるように。
今日も明日も不幸せな事が多く起きないことを願っています。
あなたの幸せとあなたを幸せにする人の幸せが増えるように。
けれど、どんな事が起こるとしても今日が始まりますように。
光だけを求められないから、僕の影が庭の芝生の上に伸びています。
この光や影は昨日の落日とよく似ていました。
朝日が教えてくれた事です。
でも、あなたにとって朝日は落日の気配を感じる事もなく、どんな時も朝日であって欲しいと。
今、僕はそんな風に思って、冬に別れを告げる夜明けを見送っています。