citron voice

詩人・そらしといろのブログ~お仕事のお知らせから二次創作&BL詩歌まで~

2007-02-18 23:44:02 | 日記
昨日の続きです。
京都と言えば清水寺・金閣寺・銀閣寺・平安神宮などを思い浮かべると思います。
いわゆる観光名所です。しかし、ガイドブックに載っていないようなひっそりと佇んでいるお寺も、また趣があって良いです。

初めて拝観した蓮華寺はそんなお寺の一つです。うっかりすると通り過ぎてしまいそうなほど、通りから少し奥まったところにあります。
門をくぐってすぐ右手に鳥居がありました。これは、昔、仏様も神様も一緒に存在していた頃の名残だそうです。
庭に池があり、宝船を表した岩が配置されているのですが、普通は出航する形で配置するそうです。でも、ここでは宝船を積んで帰って来た様子を表していました。
庭の見頃は秋、紅葉の季節です。今は葉を落とした紅葉が庭を囲んでいます。
阿弥陀如来像が安置されている本堂の天井には龍が描かれていました。
この龍、目が真ん丸く描かれており、凄みよりも何処となく可愛らしさが感じられました。
全体的に静かで、ここだけ時間の流れ方が違っているようでした。
観光客もほとんどおらず、まさに隠れた名所です。

もう一箇所、印象に残ったお寺があります。
能や歌舞伎でおなじみの演目『道成寺』に登場する鐘が安置されている妙満寺です。
安珍が身を隠した例の鐘は思ったほど大きくなかったです。でも、昔の人は小柄だったから多分、ちょうど良く収まったのだと思います。
伝説とはいえ、恐ろしくそこはかとなく悲しいお話です。安珍がどんな思いで鐘の中に身を潜めたか、業火に焼き尽くされてしまったのか想像すると、背筋がひんやりしました。
清姫はどれほど安珍に惚れてしまったのでしょう。怒りで身を蛇に変えて安珍を殺してしまうとは…嘘をついた安珍が悪いのでしょうか。それとも好きという気持ちを憎悪に変えてしまった清姫が悪かったのでしょうか。
他にも昭和48年と最近建立された仏舎利大塔は、異国情緒溢れるものです。
庭も見所です。雪の庭と呼ばれ、上品な姿をしていました。
安珍清姫伝説に思いを馳せたあとは、高くそびえる大塔に異国の寺院を想像して…
時間をかけて巡りたいお寺です。

そんなこんなで、賑やかな都とは離れたところにあるお寺は日常を忘れさせてくれました。
歴史と伝統、伝説が生きる寺社。行ってみたいところはまだまだ沢山あります。
次回は神社を中心に巡ってみたいなと思っています。。。