クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

ハリウッドではみんな日本人のマネをしている

2009年12月10日 | coolJapan関連本のレビュー
◆『ハリウッドではみんな日本人のマネをしている (講談社+α新書)

著者は、ハリウッドでプロデューサーをする日本人。ハリウッドの映画人を中心としたアメリカ人が今、日本に大きな関心をもち、日本からいかに必死に吸収しようとしているかを、ハリウッドでの豊富な人脈とビジネス経験から、具体的に語っている。

たとえば10歳の天才野球少女を主人公にした映画の企画会議中に、重役がいった、「『スラムダンク』を知ってかい。あのマンガがまさにリアルタッチなんだ」。だからこの映画もリアルタッチで行こうというわけだ。この重役は、『スラムダンク』だけでなく、『おおきく振りかぶって』や『バッテリー』など、近年のリアル系スポーツ作品を読んでいたという。

映画関係者が集まるブレインストーミング(自由に意見を出し合う)の場でも、「いま日本で何が流行っている?」が合言葉なのだそうで、こうした情報交換の場で日本がもっとも注目されているそうだ。日本のマンガをアイディアの源泉にする脚本家もいるという。流行にもっとも敏感で、つねに最先端の面白いものを探している彼らの最新トレンドが日本のサブカルチャーなのである。日本発がかっこいい=クールというのが、いまやハリウッドだけでなくアメリカ都市部の共通認識になりつつあるという。

さらに著者は、自身の経験から、現在のアメリカは日本文化を抜きにしては考えられなくなっており、とくにアメリカ文化の「進化」、「成長」と思える部分で、日本に学んだ部分が多いと指摘する。あくまでもハリウッド・プロデューサーとしての個人的見聞からかかれた本ではあり、その点はものたりないが、話は具体的で面白い。

著者のこういう主張が容易に信じられないという人には、このブログでも取り上げた『ジャパナメリカ 日本発ポップカルチャー革命』を合わせて読んでもらえば、ある程度納得してもらえるかも知れない。日本人を母に持つアメリカ人のライターが、今、アメリカに大きな影響を与えている「日本発ポップカルチャー革命」を丹念に取材して報告している。
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