BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界バンタム級タイトルマッチ

2013-04-09 01:44:10 | Boxing
王者 山中慎介 VS 挑戦者 マルコム・ツニャカオ

山中 12ラウンドKO勝利

考察 ~山中~

『神の左』は完全にhype=誇大広告だ。
なんでもかんでも派手なネーミングで売り出せばいいもんでもない。
西岡引退後の日本のボクシングシーンを牽引せねばならない一人として、
『モンスターレフト』ならぬ『日本一の左』ぐらいでいいのでは?
または『ワイルドレフト』とか『クラッシャーレフト』とか。

その左は相変わらず硬質で、一撃でダメージを与える力が発散されている。
ただし、あまりに左の威力に頼りたがるためか、
チャンスでじーっと相手を見つめてしまう悪癖(と敢えて呼ぼう)が付いている。

徳山ではないが、常に必要なパンチはジャブ。
チャンスの時こそジャブ。
丁寧に、意図を込めたジャブを間断なく打ち続けれられれば、
3ラウンドまたは9ラウンドに試合は終わっていた。

ディフェンスはブロック主体で堅く、足さばきと体捌きで
打ち易さと打たれにくさを両立させるポジショニングを取ろうとしているが、
不用意な被弾が目立った。
おそらく防御技術がどれも高域にあるために、一貫性が無いのだろう。
興毅までとは言わないが、ブロック主体で行くなら、
それをぶれない軸にすべきだ。
今のままでは、どこかで一発を食って沈んでしまう可能性が否定できない。

WBAと統一戦?
亀田三男相手に防衛戦?
どちらも不要、というか試合自体決してまとまらないよ。
断言する。


考察 ~ツニャカオ~

セレスが「爆発力はなくなったが技術が格段に付いた」と評していた通り。
しかし、ダウン後、そして流血後とエンジンは全開だった。
大場や本田など、かつての日本トップ勢を破ってきた実績や
長谷川のスパーメイトであることなど、山中の左を警戒することはあっても、
恐れていたようには見えない。

しかし、最初のダウンは左の踏み込みに左を合わされた。
王者はワン・ツーを得意とするが故に、ワン・ツーにカウンターを合わせてくる。

それを見抜いてからは左の返しの右を上下に散らし、
とくにスマッシュ気味の軌道で飛んでくるパンチは、
ボディとブロックの上を叩いていたものの、見栄えは良かった。
また視界の外から巻いてくるいきなりの右のフックもダメージングソース。
王者のタフネスに譲ったが、威力は秘めていた。

フィリピーノボクサーには印象に残るジャバーはいないが、
日本で10年やっていると毛色も変わってくる。
それでも体のflexibilityは素晴らしく、
この体の柔らかさがあれば、俺も小中学校の体操でもうちょい良い選手だった、
とあらぬ感慨に耽ってしまった。

最終ラウンドのダウンとストップに胸に去来したものは家族の顔か。
もう3試合は戦えるよ。


PS.

WOWOW実況・解説陣と日テレの実況・解説なら日テレの方が
帝拳べったり度は低いのか。
まあ、そりゃそうだ。
前日の同階級のタイトルマッチと比べてAction-Packedな試合だったことよ。
飯田とセレスのコンビはまた聞きたいね。

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3 コメント

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Unknown (どぶ猫)
2013-04-09 14:37:16
IBF,WBOの同級王者はまだ防衛すらしてないし、 統一戦に相応しいのはWBA同級王者モレノしかいないのが現状なんですよね…
しかし、何で王座決定戦のエスキベルに苦戦したのが不思議な位です。

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Unknown (Unknown)
2013-04-13 14:31:58
日記違いで申し訳ないですが・・・
管理人さんのドネアvsリゴンドー
戦前予想が ぜひ読みたいです。
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Unknown (涼しい木星/管理人)
2013-04-15 11:01:15
どぶ猫さん - ボクサーが実力を出しきれない要因は主に2つ。減量苦とメンタル。おそくら極度に緊張していたのでは?

Unknownさん - 予想は見事に外れました。亦た愉しからずや。
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