BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ

2009-10-20 23:01:39 | Boxing
王者 ビアチェスラフ・センチェンコ VS 佐々木基樹

センチェンコ 判定勝利

考察 ~センチェンコ~

詰めてくる相手にお構いなく無情まジャブ、ストレートを当て続けたが、
特に有効だったのは左フックだったと見る。
長身でアップライトなスタンスからやや高めのガードを保ち、
肘の位置と高さそのままにpronationとrotationで放つ左フックは
ウィービングにもダッキングにも対応できるパンチだ。
コンビネーションでパンチをまとめるというより、
連打はすべてroutine workに思える。
決まったパターンを丹念かつ安全に繰り出すタイプで、
アマらしさが残るというよりアマチュア全開のボクシング。
だがウクライナというボクシングのsuperpowerが育て上げたこのボクシングは
管理人の嗜好ともマッチし、さらに欧州の伝統にも忠実で、
今後のユーラシアのボクシングのmain streamになる可能性を秘めている。
こういう地味で渋い選手はアメリカ人ボクサーに喰われそうで、喰われない。
ネイティヴアフリカンのボクシングではどうだろうか。

考察 ~佐々木~

攻めのバリエーションだけを磨き、防御のバリエーションをおろそかにしてしまったか。
序盤は相手の手数に翻弄され、手数が出せず、
中盤は相手との間合いを詰め切れず、先に打たれた。
得意の左フックも一種のタメとテークバックがあっては世界レベルでは当たらない。
ノーガード、アゴ突き出しの挑発も風向きが怪しくなりかけた時に出しても効果は薄い。
事実、相手はまったく誘いに乗ってこなかった。
数値以上にリーチ、身長差があり、必然的に踏み込みと鋭角なパンチが必要となるが、
そんなことは当たり前田は広島カープ。
いっそのこと相手以上のアウトボクシングと出入りを見せても面白かったかもしれない。
cool as iceなチャンピオンの頭脳を惑わすには普通の奇策では駄目なのだ。
頭を低く入り、ローブローもいとわぬボディ攻撃も敵地でこの相手ならありだ。
レフェリーの注意や減点など気にしてもしょうがない。
ノックアウトしに来たのだろう?
奇策を奇策として繰り出しても意味がない。
正統派の攻撃に策を織り交ぜてこそ奇策なのだ。
結局、実力も奇策も日本・東洋レベルだったと認めるしかないのか。

Sライトの木村に続き、またもアマ上がりのテクニシャンに
日本のトップがひねられたが、これは今後のトレンドになるのだろうか。

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