BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

第28回フェニックス・バトル トリプルメイン

2008-05-01 22:15:51 | Boxing
51kg契約10回戦 翁長吾央VSチャンサクノイ・サックルンルアン

翁長 2ラウンドKO勝利

相手はミニマム上がりなのだからこれぐらいは出来て当たり前。
立ち上がりからガチガチなところも見られたが、
2ラウンド目ですぐほぐれたようだ。
右ひじをレバーに密着させ、サウスポーのデメリットを解消しているが、
これは右リードの多彩さを犠牲にするスタイル。
そのかわりに左右とも捨てパンチをあまり打たず、一発一発をしっかり振りぬく。
これは現代アメリカンボクシングを意識しているのか、大橋ジムの特徴なのか。
解説の徳山がしきりに「攻守ともにセンスがいい」と褒めていたが、
この試合だけでは判断できない。
まあ、今回は顔見世か。
若いとはいえフライ級はかなり減量が厳しそうだ。
今後はハイペースで試合をこなし、世界ランクを上げていくのだろう。
内藤あるいは坂田まで順調に辿り着けるか?


ミニマム級10回戦 八重樫東VS久田恭裕

八重樫 ユナニマスディシジョンで勝利

アゴ骨折からの復帰戦としては上々である。
相手にはスピードがないが、しっかりとしたガード技術を持ち、
死に物狂いで反撃してくる精神力もある。
八重樫が敗北する要素はなかったが、反省材料も見つかった。

イーグルを評して「越えられない壁じゃない」と言っていたが、
それは完全に自分の実力を過信した言葉だ。
イーグルどころかオーレイドン、新井田、下手すると高山にも及ばない。
自分のスピードに酔い過ぎなんだ。
スピードで勝負するには条件が2つある。
相手がスピード比べに乗ってきてくれること。
もう一つは、自分のスピードで相手を幻惑できること。
今回の八重樫は後者でかなり成功していた。
が、それは相手の実力不足から来るもので、
八重樫自身のスピードが活きたのは50%ほどに過ぎない。
高山ならスピード比べに乗ってくるだろう。
オーレイドンにはスピードで明確に敗れる。
新井田はそもそも対戦相手のスピードに幻惑されない。
川嶋・ミハレス1の前座の頃から技術的には荒削りだったが、
今回の試合でも洗練された技術は見られなかった。
きれいなアッパーを放り込むのは技術ではなく度胸。
スピードで翻弄した試合ではあったが、技術でコントロールした印象はない。
技術というのは突き詰めれば相手に対する嫌がらせ。
自分にとって気持の良いボクシングはできただろうが、
それだけでは上には行けない。
順調にいけば日本タイトルは獲得するだろうが、その先は厳しそうだ。


57.5kg契約10回戦 細野悟VSリカルド・エスピノサ

細野 6ラウンド終了TKO

細野、強いけどまだまだ下手だな。
河野公平から連打を引いて強打を足した感じか。
割と不用意に懐に潜り込もうとするところもそっくりだ。
エスピノサのアマ戦績やミハレスに1勝1分なところがやたら強調されてたけど、
いつ、どのウェートでやった結果なのかも伝えないと。
真鍋を喰った試合は評価できたが、この試合は評価対象外。
とは言っても評価が落ちるわけではない。
体力、馬力という面では日本フェザー級トップと言える。
クリス・ジョンには手も足も出ないだろうが、
リナレス相手に根性勝負の殴り合いに持ち込めれば10回やれば2回勝てるかもね。

総評

大橋ジムの興行にハズレなし。
2年前の正月の日本・メキシコ対抗グランプリ以来、
大橋ジムには注目していた。
川嶋は引退してしまったが、後進も育ってきている。
もっともっと突っ走ってもらいたいところ。
テレ東のダイジェストも無理のない編集で◎。
選手インタビューや家族、関係者のVTRも短すぎず、長すぎず。
エスピノサを「ミハレスに勝った男」と強調しすぎな気もしたが、
日本人対決を軸に死に物狂いの勝負が展開された。
カードの組み方といい、放送の仕方といい、
甲羅を持った爬虫類一家を飼っているテレビ局とは月と亀、もといスッポンだ。
これからもこの調子でお願いしますよテレビ東京さん!

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