BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界ライト級タイトルマッチ

2011-07-04 10:58:47 | Boxing
王者 ウンベルト・ソト VS 挑戦者 佐々木基樹

ソト 11ラウンド途中負傷判定勝利

考察 ~ソト~

肩幅が広すぎず狭すぎず、また胸板も厚すぎず薄すぎず、
それでいて手足の長さに恵まれているように見える体型は
ボクシングをするうえでの大きなアドバンテージだ。
無論、Styles make fights.の格言通り、スタイルあってこそなのだが、
この王者は長い距離からのワン・ツーあり、左右のショートとロングのアッパーあり、
肘をたたんでのフックの連打ありと、スキルとスタイルがcompatibleになっている。

こないだのリナレス戦でもそうだったが、最近のメキシコのリングというのは
滑りやすくなっているのだろうか。
ソト本人はSライト進出を目論んでいるらしいが、
決定戦ばかりで今ひとつパンチに欠けるリナレスのキャリアを考えると、
ここは一つリナレスに佐々木の仇を報じてもらいたいところ。
セニョールがこの試合を作ったのは佐々木の引退の花道2割、
リナレスの挑戦に先だっての偵察8割だろうと推測されるのだから。


考察 ~佐々木~

3ラウンドの子外刈りに度々のバッティング、
極めつけは11ラウンドのランニング・ニー・アタックと、
ボクシング以外の格闘要素満載で、もちろんそれらはすべて
日本のファンは予想済みである。
公開採点も手伝って減点もなんのその。
5ラウンドのダウンはロープに詰められた瞬間にもらった右の
under the earが伏線になったように見えたが、
その後のバランスを見るに深刻なダメージとはならなかったようだ。
座り込み?
あれはほぼ100%演技でしょうね。

佐々木を名状するに奇襲やトリッキーという言葉が用いられるが、
それらは大筋で間違いないものと思う。
しかし、己の欲せざるところを他人に施して勝てるかというさにあらず。
アゴを打ってこいというアピールやロイ・ジョーンズばりの後ろで腕組みする
パフォーマンスは相手の思考やリズムをある程度はかき乱したが、
同じぐらい自分のボクシングにも悪影響を及ぼしたように感じられた。
パンチ以外の策に走りすぎたとでも言おうか。
かつて竹原が豆タンク型のKorean fighter相手に左フックの正面衝突で
派手なダブルノックダウンを喫したが、
ああいうパンチを数種類用意していたと予想したのだが。

つまるところ奇襲というのは観る側戦う側にある種の期待や予想があって成功するもの。
比較的最近の分かりやすい例を挙げると興毅vsランダエタⅡになるのかな。
ソト自身が挑戦者の明確な全体像を作り上げるほどに警戒してきてくれなかったのが
最大の敗因になったのかもしれない。
引退?
もう一試合ぐらい日本でやるでしょ?

最新の画像もっと見る

コメントを投稿