BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

Petty Talk

2009-10-17 19:41:48 | Private
某病院の元・現入院患者の方々の旅行にボランティアとして参加させて頂いた。
これで同ボランティアへの参加は2度目である。
今回はなんと日本ボクシングコミッションドクターのドクターFも参加されていた。
府立体育館や松下IMPに足繁く通うファンならばご存知の方も多いかと思う。
飲めない酒を無理やり飲まされてしまった(といってもビール2杯)が、
おかげで貴重なお話の数々を伺うことができた。
先生の話の概要はhttp://www.jbc.or.jp/rls/2009/0711.htmlでも確認できる。
日本の場合、スポーツが原因での死亡者数(≠死亡率)ではボクシングを上回るものには、
ハンググライダーなどのスカイスポーツ、海水浴、乗馬・競馬での落馬、登山、モータースポーツが
挙げられるが、これらによる不幸な死は100%事故である。
対してボクシングは楽しむことよりも「倒すこと」を目的にしているという意味で、
リング禍は事故とは見なせない側面があるとのことである。
また、脳や眼の障害ばかりが取り沙汰されるボクシングであるが、
腕、肩、腰に慢性的な障害を抱えたままグローブを吊るす若者も多いそうだ。
ボクシングというスポーツの性質上、すべての不幸、悲劇を喰い止めることは難しい。
だが、出来ることはあるのだ。
それにはまず、レフェリーの観察眼の向上、セコンドの生理学の知識の増進、
そして両者の判断力と決断力の一層の強化が求められる。
関西ボクシングの医事講習はまだ端緒についたばかりで(関東では定期開催)、
業界関係者たちの知識が絶対的に不足している部分が多いと先生はおっしゃった。
辰吉について伺おうと思ったが、それは叶わなかった。
代わりに今年の春に横死を遂げたボクサーの話を伺うことができた。
彼には何度も何度も直接会い、その都度引退を勧告していた。
しかし翻意させることはできず、かつ周囲も制止することはできなかった。
なかばさじを投げていたところへ某有名ボクサーとの対戦が決定。
だが試合を待たずして非業の水死。
リング上で殺されなかったことになぜか安堵を覚えているとのことだった。

プロボクサーは基本的にコミッションドクターが嫌いらしい。
医師と会うということはイコール引退勧告だからだそうだ。
看護師としてボクシングそしてボクサーを手助けできるでしょうか?
という問いに、然りの答えを得ることができた。
看護師ならばボクサーも医師に対するほどに警戒しないだろう、と。
また、知識の普及、ボクサーのフィジカルイグザミネーションとアセスメントは
揺るがせにできない事項で、その道を選ぶのは良いことだと有難いエールも頂けた。

ちなみにJBCは手当たり次第に実績のある医師に声をかけているようだが、
コミッションドクターの成り手は全く見つからないらしい。
JBCは文科省に働きかけ、厚労省そして医師会に協力を要請することを
真剣に検討してみてはどうだろうか。

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