BOXING観戦日記

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WBA・WBO世界Lフライ級王座統一戦

2010-10-04 21:32:31 | Boxing
WBO王者 イバン・カルデロン VS WBA王者 ジョバンニ・セグラ

セグラ 8ラウンドKO勝利

考察 ~カルデロン~

体格差のあるファイター型との過去の対戦といえばカサレス戦があるが、
その時は相手はスタンダードなコンビネーションで詰めてきた。
対照的にこの日の相手は単発強打と強引なボディへの連打で攻めてきた。
キャリアとボクシングIQで読み切れそうなものだが、
リング上でしか分からない相手の迫力に初回から飲まれたようだ。
相手があれではサウスポー云々は関係ないはずだ。
クリンチ、カウンターの右フック、体重を乗せた左ストレート、
どれも自身のイズムとリズムに反するものだろう。
チョコン、パシャパシャパシャというのがノッている時のリズムだからだ。
これまでの相手は自身のリズムに苛立ちを募らせてくれたが、
顔面ブロックをプランに織り込んで来られては分が悪い。
さらにこれまでの相手は一発で眠らせてやるぜとばかりに顔面狙いで来てくれたが、
てめーが飲み込んだ俺の嫁の結婚指輪吐き出せやと言わんばかりにボディに来られては……

カウントアウト後にすっくと立ち上がったが、
肉体的ダメージ半分に心理的ダメージ半分だったか。
ラウンドを重ねるごとに体が小さく見えてきたが、
実際に腰が落ちていたし、弱気の虫が顔を出していた。
返り咲きは苦しいだろう。
展開としてはマルガリートに敗れたコットに似ている部分もあるが、
余力や将来のビジョンはコットほどには残されていまい。


考察 ~セグラ~

相手のカウンターを自分から相撃ちに持っていくその様は
ボクサーではなくストリートファイター(それも素人の)。
先日の河野は顔面を隙だらけにして前進を繰り返し、敗れたが、
セグラとの違いは迫力に尽きる。
迫力とは精神力や鬼気迫る形相から生まれるのではなく、
純粋な攻撃力から生まれるもの。
そのまま昇龍拳でも打つのかと思わせるほどの右アッパーは
視聴者にとって滑稽であるがゆえに対戦相手の心胆寒からしめるものがある。
が、それは威嚇であり、真のプランはボディへの連打攻撃。
メキシカンの連打力は、たとえば日本人ボクサーがバッグ相手に唸りながら
手を出し続けるような根性によって支えられるものではなく、
当てた反動を利した返しを打ち、それを当てた反動でまた打つ。
空振りしてもリズムがあるので返しがついてくるわけで、
練習ではなく実戦もしくは実践で身に着けたものだ。
日本式の練習でこれを習得しようとするならば
メキシコ並みの歴史と裾野の広さが必要になるか、
あるいは指導者層にオカルティックな『脳内革命』が必要になる。
WBOタイトルはひとまず措いて、この選手を日本に呼べるか?
あるいは日本人がメキシコに乗り込んで勝算はあるか?
井岡甥の出番ではないということだけは断言できる。

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