BOXING観戦日記

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東洋太平洋フェザー級王座決定戦

2010-03-13 20:55:06 | Boxing
松田直樹 VS ビンビン・ルフィーノ

松田 SDで勝利

考察 ~松田~

顔面だけ見ればとても勝ったようには見えない。
いつ見ても激闘、熱闘になるが、この男はパンチの喰らい方がいい。
真正面からもらうというのかな。
踏み込む左足のつま先を常に相手の右足のつま先の線上に平行に持っていくのは
真正面からしかパンチを当てられないということ同時に、
真正面からのパンチなら防御できる、あるいはかわせるという自信の表れだろう。
G・エスパダス戦では距離の違いから手も足も出ずストップされたが、
この日のように相手も詰めてきてくれるのなら勝負になる。
苦戦の要因は対サウスポーという点よりも相手の出入りによる。
ロングのジャブに次いで飛んでくる左は足の踏み込みではなく
上体の柔らかさを利したもので、突っ込んだ状態から瞬時に上体をスウェーされた。
サンデーパンチの左フックもこれではカウンターでは当たらない。
自身はリーチにも柔軟性にも秀でていないので踏み込みが肝になる。
相手と逆のスタイルで被ダメージは明らかに大きかったが、ダウン回数で勝ち。
ダウン内容では負けていたけど。
ボクシングは採点競技でダメージではなく、ジャッジからの点を競うもの。
ボクサーとしての素材では相手に上回れたが、キャリアでギリギリ勝ったかな。

考察 ~ルフィーノ~

フィリピンにジャバーなしを証明するような選手だな。
実測のリーチ差はわずかだろうが、
スタイルによる間合いの差は明らかで足と同じぐらいパンチをビジーにできれば
より確実な点差で勝利できたはず。
この選手は倒しに行くというマインドよりもラウンドを取りに行く意識が強く、
スロースターターでもあり、ショーマンシップも少しだけある。
サウスポーの右フックはリード、引っかけ、コンビネーションのつなぎと
用途が幅広いが、この選手は右のパンチに明確な意志が込められていない。
そのくせ打ち合いが好きなのか、相手の疲労とダメージを読み取ったか、
ナックルの返しが半端なまま打ち合いにでる。
ただし、体の柔らかさを使った出入りは
ガチガチで戦う日本人選手を翻弄する可能性が高く、
この試合でも松田を大いに苦しめた。
中南米の選手はサイドの動きに長けていることが多く、
東南アジアの選手は前後と上下の動きに特徴があることが多い。
日本人選手の特質は勤勉さ。
これが盾になるのか矛になるのかは噛み合わせによる。

フィリピン旋風は世界のトップ戦線では停滞中だが、
アジアレベルではまだまだ猛威。
ルフィーノ陣営はリマッチをやる気満々だろう。
残念ながら帝拳はそんな試合は組まないだろうが、
日本のリングで稼ぐチャンスはまだまだ残されている。

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