BOXING観戦日記

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WBCライト級王座決定戦

2010-03-15 18:30:50 | Boxing
ウンベルト・ソト VS デビッド・ディアス

ソト 判定勝利

考察 ~ソト~

ロングでは鋭角的なストレート連打が冴え、
クロスではショートのフックとアッパーが冴える。
対サウスポーにおいてはスピード差があるか、
相手が自分のどちら側に廻ろうとするのか、
相手のリードに対応できるのかが一次的な戦術面を決定する。
身長とリーチのアドバンテージから強いジャブの連打で
相手を釘付けにする場面も作り、
掻い潜られた場合には左ショートから右フックの返しが光った。
A・マルガリート同様、自身の階級では長身を誇る故に
潜り込んでくる相手には特に前腕(上腕との対比ではなくリード側の腕)での
アッパーが有効になる。
ファイタータイプのサウスポーは自身の右を高く掲げる傾向にあり、
ディアスもまさにそのタイプ。
このスタイル・スタンスにはオーソドックスの右アッパーは右フックよりも見えづらい。
つまり、ただでさえ高い効果も倍増。
相手が粘り、努力、根性などあらゆる泥臭い要素を体現したタイプだけに
かなり手こずり、実際の肉体・精神の消耗度もスコアほどの差はなかった。

ほんの数年前までは一部でパッキャオよりも強いと評されていたが、
J・グスマンに敗れ、その評価も今一つ伸びきらず。
バレロと交わることはあるのだろうか?

考察 ~ディアス~

サウスポーの定石を採用せず、血と汗を滴らせながら戦う姿は
勇敢なヒスパニックというよりは泥臭い日本人のシルエットを浮かび上がらせる。
しかし、左ストレートの伸びは肩と腰がよく回り、
長身選手の顔面にもスムーズに届く。
日本人選手の場合、身体的素養と指導者による育成過程で
強い左を打つのにカウンター、もしくは踏み込みを重視する。
利き腕の左右によらず、日本に洗練されたインファイターが育たない理由は
ボクシングというゲーム自体がポイントゲームにシフトしつつあるからだろう。
そのことの是非は問うまい。
だが、亀田長男のようなカウンターは上手いとはいえても、
強い、すごい、怖いとは感じない。
パッキャオ戦のダメージは抜けているようだが、
フック、アッパー、打ちおろしのストレート連打と喰らいまくったね。
相手の連打をダックする際に両手を下げるのは定石だが、
パッキャオ戦ではそこからアッパーを狙い、カウンターで痛烈に沈んだ。
この試合ではさらなる打ち下ろしの連打を喰い、最終回にダウンした。
アゴをカバーする必要はなくとも、クロスアームしながらローリングは?
あるいはコットが時折見せるスクワットは?
うーむ、どれも泥臭いファイターには似合わないムーブですなあ。

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