BOXING観戦日記

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日本スーパーフライ級タイトルマッチ

2009-09-15 20:19:27 | Boxing
王者 中広大吾 VS 挑戦者 本田秀伸

中広 判定勝利

考察 ~中広~

マルケス兄がカサマヨルを攻略できた要因の一つは
左足を相手の前足(右足)の外側シューズ幅一つ分に
踏み込めたことだが、中広にはそれができなかった。
オーソドックスのサウスポー対策の定石として
ジャブ、フェイント、捨てパンチ、フットワークなどがあるが、
この日の中広にはどれにも明確なテーマを見出せなかった。
粟生にも当てはまることだが、相手を動かすのと相手に動かれるのは似て非なるものだ。
右のカウンターはフックもストレートも軸がぶれず、最短距離を走るが、
どうも「カウンターのカウンターをとってやる」と考えているように思える。
パンチを打たせるのとパンチを出されるのも似て非なることであるのは言うまでもない。
この男に必要なのはレベルアップではなく、試合中のadjustabilityだ。

考察 ~本田~

これは僅差で本田の勝ちじゃないのか?
名古屋判定ならぬ広島判定… とまでは言わないが、
ある程度の情状が中広側にあったことは否めないだろう。
対サーシャのディフェンス一辺倒から確実な変化を見せたが、
ファイトマインドは従来通りだった。
胸鎖乳突筋の張りはスリッピングの意識を常に持っていることを物語る。
この状態では逆に首筋を固くしてしまう可能性もあったが、
右リードから左、そして右の返しを上下に打ち分ける様は
左右の体側と椎骨の安定を証明していた。
年齢を重ねることでファイター色を濃くする選手は結構いる(ペニャロサなど)。
そうする方が結果的に選手寿命が延びるわけだ。
ただし攻撃的なスタイルへの変貌により没落してしまったミハレスを忘れてはなるまい。
日本が誇るフライ、Sフライ戦線でまだまだ若手の壁として立ちはだかってほしい。

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