BOXING観戦日記

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WBA世界Sウェルター級暫定王座決定戦

2009-09-15 21:34:44 | Boxing
石田順裕 VS マルコ・アベンダーニョ

石田 判定勝利

考察 ~石田~

徳山昌守的なエッセンスにあふれるボクシングだ。
消極的な戦法を積極的に採用したというところか。
ジャブ、ジャブ、ジャブ、バックステップ、ダッキングで
構成するボクシングは一見して逃げを思わせるがさにあらず。
相手の右ストの追撃をかわすバックステップ時、
上体をのけぞらせず、左足を引くムーブを織り交ぜていたが、
あれはカウンターの左フックのフェイントとして機能した(打たなかったが)。
追い足に長けていない相手への威嚇・牽制として有効で、
金沢ジムで徳山を鍛えたトレーナーの手腕によるものだろうか。
テレビ実況によるとスパーを見た徳山が「パンチが切れている」と評したそうだが、
パンチ力はSウェルターとしては並み以下だろう。
徳山の言うパンチの切れとは、自身の哲学と同じく、タイミングと角度の意。
(だと解釈しているが…。今度本人に尋ねてみるか)
終始動き続けながらも膝、肩、腰を一定の高さに保ちながら放つジャブは
一度リズムにハマりさえすれば攻略不可能の武器と化す。
暫定世界王座?
サントス、マルチネス、ジンジルク、フォアマン、マヨルガ、マルティロジャン・・・
こいつらとの対戦の可能性が広がったことは歓迎すべきだ。

考察 ~アベンダーニョ~

前戦は観ていないが、背中から見るとマヨルガを連想させる。
ただ、凶暴さ、破天荒さが足りない。
ベネズエラ人はメキシカンのようなかっちりとしたスタイルや
パナマ人のような体形・身体能力依存のボクシングではなく、
奔放なボクシングをするイメージがある。
石田のアウトボクシングを崩すカギはヘッドスリップとボディへのフック、アッパー。
定石ではるが、定石を採用せずして相手の牙城を崩すにはアベンダーニョは
パワーもパンチもスピードも欠けている。
背丈・リーチともに劣る場合、潜り込むことが大前提。
ファイタータイプならばなおさらだ。
警戒すべきはショートアッパーと打ち下ろしだが、
そのどちらも来ないということは序盤で見抜けたはず。
作戦実行能力は決断力と判断力に支えられるが、もう一つ、勇気というファクターもある。
はじめの一歩でお馴染みのコンセプトだ。
ラテン、カリビアンという気質が磊落さを生み出す一方で、
勝負を仕掛けるタイミングをそのメンタルゆえに見逃してしまうのか。

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