王者 ミゲール・コット VS 挑戦者 アントニオ・マルガリート
コット 10ラウンドTKO勝利
考察 ~コット~
コットをマルガリートと様々な面で比較すると
一発パンチ力は互角として、ディフェンス、スピード、フットワークで優り、
耐久力、スタミナ、闘争心では劣る。
技巧に重点を置くならば充分に予想できる結果が出たわけで、
エンターテインメント性よりも自身の健康を優先するという
戦前の言葉通りのファイトスタイルだったといえる。
相手が目が腫れて塞がってきた。
弱点だ、狙え。
この姿勢は完全に正しく、またこの作戦を選ぶところに
コットのring smartとその限界が見えた。
プランとしてはとにかく左アッパー連打だけはもらわない、
そのための距離作りとリズミカルに不規則な左右ステップの連続。
そして相手の手負いの右目を狙う自らの左フック。
これは元々サンデーパンチではあるが、この試合ではさらに効果的に活用すべく、
ガツンというナックルパートのインパクトよりも
擦りつけるような軌道とタイミングを敢えて狙っていた。
また威力よりも軌道を重視するその哲学は前戦に自身のパンチで前進を止めなかった
マルガリートへの敬意の表れと取ることもできる。
プランは練り上げられていたは、それを実行するコットに
終盤で失速する気配が常に感じられたのは、
試合展開が初戦とオーバーラップしていたからかな。
全体的に見て、3年前よりも明らかに力量は落ちている。
それは度重なる激闘の代償以外の何物でもなく、
ボクサーのこのような力の衰えを見るほどに
セニョール本田が西岡に引退を勧告するのも理解できなくはない。
完全なる判定勝ち狙いにコットの執念を見出すべきか、
それとも落胆すべきかはそれぞれのファンのスタンスによる。
口の悪いファン(というかうちの親父)になると今日のコットを指して
「亀田興毅みたいやな」と評する。
ちなみに私は前者の立場で、この点で父にはとても賛同しかねる。
パッキャオへのリベンジは遠ざかったが、
案外メイウェザーから声がかかるかも、という内容と結果だった。
考察 ~マルガリート~
前戦では6ラウンドにアッパーを連続で巧打し、
一気に後半からの流れもスコアも引き寄せたが、
今回は流れこそ3ラウンドで引き寄せたものの、
ポイントを奪うほどの効果的な攻めを見せられなかったのは
自身のゲームプランもファイトスタイルも変わらなかったところに
相手のプラン変更がぴったりハマったからに他ならない。
抽象的に言うならば、前戦のコットはdefensive、今回はelusive。
具体的に言うならば、マルガリートの左アッパーの射程にコットが
留まってはくれなかったということ。
自分よりスピードで優る相手に見入ってしまう傾向は誰にでもあり、
その場合に肝心の手数が減ってしまうのはボクサーの公準なのだろうか。
それとも右目の腫れで遠近感を狂わされたか。
答えはおそらくその両方だろう。
モズリー、パッキャオによって壊されたと確信していたが、
キレだけのパンチならばまだ耐えられるということを証明したのは
流石としか言いようがない。
しかし精神力に支えられたタフネスは何とか保っているものの、
細胞レベルでの防御力は確実に落ちている。
網膜剥離、眼窩底骨折と眼へのダメージ蓄積はcriticalで
ティファナの竜巻も早晩消滅してしまうことは残念ながら間違いない。
コット 10ラウンドTKO勝利
考察 ~コット~
コットをマルガリートと様々な面で比較すると
一発パンチ力は互角として、ディフェンス、スピード、フットワークで優り、
耐久力、スタミナ、闘争心では劣る。
技巧に重点を置くならば充分に予想できる結果が出たわけで、
エンターテインメント性よりも自身の健康を優先するという
戦前の言葉通りのファイトスタイルだったといえる。
相手が目が腫れて塞がってきた。
弱点だ、狙え。
この姿勢は完全に正しく、またこの作戦を選ぶところに
コットのring smartとその限界が見えた。
プランとしてはとにかく左アッパー連打だけはもらわない、
そのための距離作りとリズミカルに不規則な左右ステップの連続。
そして相手の手負いの右目を狙う自らの左フック。
これは元々サンデーパンチではあるが、この試合ではさらに効果的に活用すべく、
ガツンというナックルパートのインパクトよりも
擦りつけるような軌道とタイミングを敢えて狙っていた。
また威力よりも軌道を重視するその哲学は前戦に自身のパンチで前進を止めなかった
マルガリートへの敬意の表れと取ることもできる。
プランは練り上げられていたは、それを実行するコットに
終盤で失速する気配が常に感じられたのは、
試合展開が初戦とオーバーラップしていたからかな。
全体的に見て、3年前よりも明らかに力量は落ちている。
それは度重なる激闘の代償以外の何物でもなく、
ボクサーのこのような力の衰えを見るほどに
セニョール本田が西岡に引退を勧告するのも理解できなくはない。
完全なる判定勝ち狙いにコットの執念を見出すべきか、
それとも落胆すべきかはそれぞれのファンのスタンスによる。
口の悪いファン(というかうちの親父)になると今日のコットを指して
「亀田興毅みたいやな」と評する。
ちなみに私は前者の立場で、この点で父にはとても賛同しかねる。
パッキャオへのリベンジは遠ざかったが、
案外メイウェザーから声がかかるかも、という内容と結果だった。
考察 ~マルガリート~
前戦では6ラウンドにアッパーを連続で巧打し、
一気に後半からの流れもスコアも引き寄せたが、
今回は流れこそ3ラウンドで引き寄せたものの、
ポイントを奪うほどの効果的な攻めを見せられなかったのは
自身のゲームプランもファイトスタイルも変わらなかったところに
相手のプラン変更がぴったりハマったからに他ならない。
抽象的に言うならば、前戦のコットはdefensive、今回はelusive。
具体的に言うならば、マルガリートの左アッパーの射程にコットが
留まってはくれなかったということ。
自分よりスピードで優る相手に見入ってしまう傾向は誰にでもあり、
その場合に肝心の手数が減ってしまうのはボクサーの公準なのだろうか。
それとも右目の腫れで遠近感を狂わされたか。
答えはおそらくその両方だろう。
モズリー、パッキャオによって壊されたと確信していたが、
キレだけのパンチならばまだ耐えられるということを証明したのは
流石としか言いようがない。
しかし精神力に支えられたタフネスは何とか保っているものの、
細胞レベルでの防御力は確実に落ちている。
網膜剥離、眼窩底骨折と眼へのダメージ蓄積はcriticalで
ティファナの竜巻も早晩消滅してしまうことは残念ながら間違いない。