ひところ話題になった「Always 三丁目の夕日」の続編が上映されたので朝一で観にいった。いつもは大抵この時間にはがらんとしている館内は結構にぎわっていた。観る前からすでに郷愁の世界に誘われれている思いがした。ストーリーは以前とそう変わらないが、違うのは書いても書いてもなかなか芥川賞候補にも挙がらないしがない小説家志望の作品がとうとう雑誌に「候補か!」と上がる一騒動が様々な人間模様を映し出している。
昭和34年ころの経済中心の社会に大きく舵を取る日本、それにあやかろうとする下心のある怪しき人物、それにもかかわらずこのつましい生活をする近所の温かさは少しも変わっていないよき日本のフィナーレのような時代を映し出している。入賞するにはいささかの資金が必要と小銭まではたいて、なけなしの金を吐き出す姿など、なぜか涙を誘う。
金よりもっと大切なことがある。それは互いに支え合って生きていこうとする絆の強さだ。ないからこそないものの気持ちが理解できるのだろう。喜びや悲しみを共に分かち合う姿の中にこそ、真の人間の美しさを見ることができる。善人にも悪人にも陽が西に傾く美しさはわかるはず。そんな素朴な中に人の心を希望へとつないでいくようだ。
やさしいタイガー
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