”春は名のみの 風の寒さや”と歌う早春賦は、この時期いつも自然に口をついで出てきます。なんだか心に温かいものを感じさせます。 2月4日は立春。古来から季節の数え方によると、立春は二十四節気の最初の日だそうで、この日から数えて八十八夜、秋の台風シーズンの210日、220日と言い当てているのです。いつしか受け継いできた暦の意味は自然の巡りあわせを見事に表現していて、自然を思う日本人の美しい部分を感じます。
暖かい所ではそろそろ梅の便りが届き、やがて桜へと彩を変えていくのでしょうが、この北国では古来の暦と相当ずれながらやってききます。目下生物は冬眠中。それでも雪の下には今や遅しと多くの生物が出番を待っているのです。ぼくは転勤して間もなく、何気なく雪の下に見えたグリーンの鮮やかさにすっかり感動してしばらく眺めていたことがあります。
神の摂理とでも言うのでしょうか。ひと回りの季節が狂いなくやってくる神のご計画の見事さに畏敬の念を深くします。もうすぐですね。ぼくたちの町にも春が。
やさしいタイガー